• コラム

2025.07.31

主要OTA24社の手数料を徹底比較 

「集客力を上げるためにOTAに登録したいが、たくさんありすぎて、どれを選べばいいかわからない」 「各OTAの手数料は、いったいどれくらい違うのだろう?」 「自社の旅館のコンセプトに合ったOTAはどれだろうか?」

ホテル・旅館の経営者様にとって、OTA(オンライントラベルエージェント)は、今や集客に欠かせない重要な販売チャネルです。しかし、その種類の多さや、それぞれの手数料、特徴の違いに、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

OTAは、それぞれが異なる顧客層や強みを持っています。手数料の高さだけで判断するのではなく、自施設のターゲット層と各OTAのユーザー層が合致しているか、施設のブランドイメージを損なわないかといった、多角的な視点で選択することが、収益を最大化する上での鍵となります。

この記事では、国内・国外の主要なOTAから、特定の分野に特化したOTAまで、合計27サイトの手数料と特徴を一覧で分かりやすく比較・解説します。

OTAとは

OTAとは、「Online Travel Agent」の略で、インターネット上のみで旅行商品の取引を行う旅行会社のことです。店舗を持たず、ウェブサイトやアプリを通じて、宿泊施設や航空券、パッケージツアーなどを販売しています。利用者は、時間や場所を問わずに、複数の宿泊施設を比較検討し、簡単に予約・決済ができるため、旅行計画における主要な情報源・予約手段として広く普及しています。施設側にとっては、自社だけではアプローチしきれない幅広い顧客層にリーチできる、強力な集客ツールと言えます。

国内OTA一覧

まずは、日本国内の旅行者に強みを持つ、主要な国内OTAの手数料と特徴を見ていきましょう。各社が独自のポイントプログラムや会員組織を持ち、特定の顧客層に対して高い訴求力を持っています。

OTA手数料率(目安)
じゃらんnet8.0~12.0%
楽天トラベル8.0~9.25%(事前決済+2%含む)
るるぶトラベル8.0~10.0%
一休.com10.0%(+事前決済3.5%の場合は13.5%)
Yahoo!トラベル10.0%(+事前決済3.5%)
ベストリザーブ(宿プラザ)約9.0%
ふるなびトラベル予約≒8%
アパ直約8%
らくだ倶楽部10.0%
ゆこゆこネット10.0%(初年度8%の場合あり)
Relux12.0%(+事前決済2%)
ANA9.0%(契約内容により変動)
JAL9.0%
たびらい8.0%(+1%割増の場合)
ちゅらとく8.0%(タイムセール時7%)
Ozmall10.0%
WELBOX10.0%
WILLER TRAVEL約8~10%

じゃらんnet

1名利用時は基本6%+ポイント負担2%で計約8%、2名以上は8%+2%で約10%、インバウンド(グローバル)予約は基本12%、さらに事前決済選択で+2%となります。

国内旅行向けの認知度が高く、ファミリー層や地域密着型の集客に強みがあります。

楽天トラベル

1名利用だと基本7%+ポイント1%=8%、2名以上は8.25%+1%=約9.25%、グローバル予約は10%、契約オプション(クーポン、ボーナス等)で手数料がさらに最大15%以上になるケースがあります。事前決済は+2%です。

楽天経済圏との連携とポイント制度によりリピーター獲得力が高い点が特徴です。

るるぶトラベル

1名利用8%、2名以上10%、さらに事前決済+2%、インバウンド(提携JTB)では11~14%となることもあります。JTBグループによる安心感と地域情報の深さが特色です。

一休.com

通常送客手数料10%で、高級旅館・ホテル向けに特化。ヤフーパック利用時は13.5%、事前決済は+3.5%の割増となります。また、プライス最適化プログラム等オプションでさらに5~9%の追加費用が生じます。

高単価施設向けで高評価を得やすい点が魅力です。

Yahoo!トラベル

基本10%、事前決済+3.5%が追加。PayPayポイント連携や一休.comとのグループ連携により露出やユーザー誘導が強みです。

ベストリザーブ(宿プラザ)

手数料は基本8%+ポイント1%=9%程度。比較的低コストで、中小規模の宿泊施設に利用されやすいです。

ふるなびトラベル予約

手数料8%程度。地域特化型で自治体連携も可能な場合があります。

アパ直

アパグループ直営のOTAで、手数料は8%前後と比較的低水準です。

らくだ倶楽部

通常10%の手数料。構成は比較的シンプルで、中小旅館向けに利用されます。

ゆこゆこネット

通常10%、初年度8%優遇プランがあるケースもあり、温泉旅館など特定市場に強みがあります。

Relux

厳選された高級宿専門のOTAで、手数料12%+事前決済2%、加えて月額サイトコントローラー接続料5,500円が発生します。

ANA

ホテル予約・旅作共に基本9%(契約条件次第で変動)。事前決済+2.5%程度の追加の可能性があります。

JAL

JAL EH・DP訪日企画ともに基本9%。契約により若干の差異があるものの、目安として9%です。

たびらい

基本8%、1%の割増オプションもあり最大9%程度です。

ちゅらとく

沖縄特化型OTAで、通常8%、タイムセール時は7%となるケースがあります。

Ozmall

都市型女性向けレジャーに強く、手数料は10%程度です。

WELBOX

福利厚生系OTAで、手数料10%。法人需要獲得に使われます。

WILLER TRAVEL

観光型OTAの一つで、手数料は概ね8~10%です。

国外OTA一覧

OTA手数料率(目安)
Booking.com約12~20%
Agoda(Ctrip含む)約12~15%
Trip.com(Ctrip)約15%
Expedia約13~15%以上
ホステルワールド約15%
Airbnb約15%

Booking.com

通常12%程度、事前決済の場合+2.3%、露出強化プログラムのプリファードで+3%、プリファード・プラスで+5%など、最大20%近くになることがあります。世界最大級の掲載数と多言語対応が特徴です。

Agoda

基本手数料12%、AIによる順位強化プログラム(AGP)では10〜15%、フレックス型のExpressも利用可能です。

アジアに強く、日本人利用者も増えています。

Trip.com (Ctrip)

基本15%前後。中国インバウンド向け強化時には変動する可能性があります。

Expedia

基本13〜15%、地域や決済条件次第ではそれ以上。検索順位や広告プログラムへの参加で追加費用が発生します。航空券とのパッケージ販売が強みです。

ホステルワールド

バックパッカー層や低価格帯中心で、手数料は約15%とされています。

Airbnb

手数料は約15%。体験型や民泊向けで、インバウンド需要に非常に有効です。

アクティビティに特化したOTA一覧

近年、旅行の目的は単に「泊まる」ことから、そこでしかできない「体験(コト消費)」へとシフトしています。宿泊と合わせて、魅力的な体験プランを提供することは、他施設との差別化を図る上で非常に有効です。

アソビュー!

アクティビティ予約に特化した国内OTAで、国内旅行者向け遊び・体験の集客に使えます。手数料構造はプログラムや提携内容により変動しますが、おおむね10〜15%です(契約内容により異なる)。

ACTIVITY JAPAN

同じくアクティビティ特化型OTAで、国内外の旅行者向け体験予約に対応。こちらも10〜15%の手数料が一般的です。

OTAのメリット

次に、OTAのメリットを紹介します。

メリット①ホテル・旅館の認知拡大につながる

OTAの最大のメリットは、その圧倒的な集客力と広告宣伝力です。自社サイトだけでは、その存在を知ってもらうこと自体が困難ですが、月間数千万人が訪れるような大手OTAに掲載することで、国内外の膨大な数の潜在顧客に、自社施設をアピールすることが可能になります。広告費をかけずに、施設の認知度を飛躍的に高めることができるのです。

メリット②インバウンド対策ができる

海外のOTAに登録することは、効果的なインバウンド対策に直結します。これらのサイトは、多言語対応はもちろんのこと、海外で一般的な決済手段にも対応しています。また、各国の旅行者の嗜好や文化を熟知しているため、自施設がターゲットとしたい国の旅行者に的を絞ってアプローチすることが可能です。

自社で多言語サイトを構築・運営する手間とコストを考えれば、非常に効率的なインバウンド集客手段と言えます。

OTAのデメリット

反対に、OTAのデメリットを紹介します。

デメリット①手数料がかかる

OTAを経由した予約には、売上に対して一定の料率の手数料(コミッション)が発生します。手数料率はOTAによって異なり、8%〜15%程度が一般的です。集客力と手数料のバランスを考え、どのOTAを利用するかを慎重に判断する必要があります。OTA経由の予約が増えれば売上は上がりますが、その分、利益率は低下することを念頭に置かなければなりません。

デメリット②価格競争が起こりやすい

OTAのサイトでは、多くの競合施設が同じエリアで一覧表示されるため、利用者は価格を比較しやすくなります。その結果、どうしても価格の安さが予約を決める大きな要因となり、周辺施設との間で価格競争に陥りやすくなります。過度な価格競争は、施設の収益性を悪化させるだけでなく、ブランドイメージの低下にも繋がりかねないため、注意が必要です。

OTAのメリット・デメリットを理解したうえで活用を検討しよう

今回は、国内外の主要なOTAの手数料と特徴について、網羅的に解説しました。OTAは、今日の宿泊業界において、集客に欠かせない強力なツールであることは間違いありません。しかし、数多く存在するOTAの中から、自施設のコンセプトやターゲット層に合致した最適なプラットフォームを見つけ出し、手数料と集客力のバランスを考えながら戦略的に活用していくことが求められます。

「どのOTAに、どのようなプランを出せば、最も効果的に収益を上げられるのか」 「手数料を払いながらも、利益率を確保するにはどうすればいいのか」 「自社サイトからの直接予約を増やすための具体的な方法が知りたい」

このようなOTA戦略の策定は、非常に専門的で、複雑な分析を要します。もし、自施設だけの力で最適な戦略を立てることに難しさを感じているのであれば、専門家の知見を借りることも一つの有効な手段です。

私たち宿夢は、旅館・ホテル業界に特化したコンサルティングサービスを提供しています。 これまで培ってきた豊富な経験と、マーケットデータに基づいた客観的な分析力で、貴施設にとって最適なOTAの選定から、収益を最大化するための販売戦略の立案、自社サイトの強化策まで、一貫してサポートいたします。競争の激しい市場を勝ち抜くためのパートナーとして、ぜひ一度、私たちにご相談ください。

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コラム監修者

加藤大樹 kato daiki
取締役 副社長

<略歴>

  • 日本47都道府県制覇を5回達成した後、高級宿泊予約サイト「一休.com」に入社。
  • 旅館・リゾートホテルチームの営業と、バケーションレンタル事業の営業責任者を兼務し、ラグジュアリー領域を二刀流で経験
  • 2023年7月に株式会社宿夢の取締役副社長に就任。

弊社「宿夢」は、旅館・ホテル業界の課題解決に特化したコンサルティング会社として、業界の専門知識を活かし、宿泊施設の経営改善をサポートしています。
私たちの目指すのは、旅館・ホテル様それぞれが描く夢を実現すること。
そのために"宿のお困りごとは宿夢へ"をテーマに宿の総合商社を目指しております。

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