• コラム
  • Web集客
  • 経営戦略

2025.07.31

ホテル経営とは?収益の仕組みや重要な指標、成功させるポイントを解説

ホテル経営では、宿泊需要の予測や料金設定、人員配置、施設管理、集客などを総合的に行う必要があります。
特に客室は、販売できなかった日の在庫を翌日へ持ち越せないため、需要に応じて客室単価と稼働率を調整することが重要です。

経営状態を把握する際は、売上だけでなく、ADR・OCC・RevPARなどの指標も確認します。
これらを組み合わせると、客室単価や稼働率のどこに改善余地があるのかを分析しやすくなります。

本記事では、ホテル経営の仕組みや収益源、必要な許可、重要な経営指標、安定した収益を目指すためのポイントを解説します。

ホテル経営とは?

まずは、ホテル経営の基本的な仕組みを確認しましょう。
ホテル経営では、宿泊サービスを提供して売上を得るだけでなく、施設の維持や人員配置、価格設定、集客などを管理します。
施設の規模や顧客層に合った事業モデルを構築することが重要です。

宿泊サービスを提供して収益を得る事業

ホテル経営とは、宿泊施設を運営し、宿泊料や付帯サービスの料金から収益を得る事業です。

旅館業法では、旅館・ホテル営業を、施設を設けて宿泊料を受け、人を宿泊させる営業のうち、簡易宿所営業と下宿営業を除いたものと定義しています。

ホテル経営の中心となるのは客室の販売ですが、レストランや宴会、婚礼、物販などが収益源になる施設もあります。
施設の規模や種類によって収益構造が異なるため、自社の事業モデルに合った経営管理が必要です。

ホテル経営の主な収益源

次に、ホテル経営における主な収益源を解説します。
多くのホテルでは客室売上が中心となりますが、施設によってはレストランや宴会などの売上も大きな割合を占めます。
ホテル全体だけでなく、部門ごとの売上と費用を把握することが大切です。

客室を販売して得る宿泊売上

ホテル経営の基本となる収益源は、客室を宿泊者へ販売することで得られる宿泊売上です。

客室売上は、販売した客室数と客室単価の両方によって変わります。
低料金で多くの客室を販売しても、単価が下がりすぎれば売上や利益が伸びない可能性があります。

一方、高い料金を設定して予約が減ると、空室が増えて十分な客室売上を得られません。
満室だけを目標にするのではなく、需要に合った価格を設定し、客室単価と稼働率のバランスを整える必要があります。

レストランや宴会などの付帯売上

シティホテルやリゾートホテルなどでは、客室売上以外にレストランや宴会、婚礼、物販などから収益を得られる場合があります。

ただし、各部門では発生する費用が異なります。
飲食部門では食材原価や調理スタッフの人件費、宴会部門では会場設営やサービスに関する費用などが必要です。

売上が大きい部門でも、費用を差し引いた利益が大きいとは限りません。
ホテル全体の売上だけを見るのではなく、部門ごとに売上と費用を確認し、利益へどの程度貢献しているかを把握することが重要です。

ホテル経営で重要な3つの指標

ここでは、客室販売の状況を把握するために使われるADR・OCC・RevPARを解説します。
ADRは客室単価、OCCは客室の販売割合、RevPARは販売可能客室あたりの客室売上を示します。
3つを組み合わせて確認することで、価格と稼働率の関係を分析できます。

ADRは客室の平均販売単価を示す

ADRは「Average Daily Rate」の略で、販売した客室1室あたりの平均価格を示します。

計算式は「客室売上÷販売客室数」です。
例えば、客室売上が1,000,000円で50室を販売した場合、ADRは20,000円となります。

ADRを確認すると、ホテルが客室を平均していくらで販売できているかを把握できます。
ただし、ADRが高くても、販売した客室数が少なければ十分な客室売上を得られない場合があります。
OCCやRevPARも合わせて確認することが大切です。

OCCは客室がどれだけ稼働したかを示す

OCCは客室稼働率を示す指標で、「販売客室数÷販売可能客室数×100」で計算します。

例えば、販売可能な客室が100室あり、そのうち80室を販売した場合、OCCは80%です。
数値を確認することで、販売可能な客室に対してどの程度の客室を販売できたかを把握できます。

ただし、低料金で客室を販売すれば、OCCが上がっても十分な売上や利益が残らない可能性があります。
OCCだけを高めるのではなく、ADRとのバランスを見ながら販売戦略を調整してください。

RevPARは客室全体の収益力を確認できる

RevPARは「Revenue Per Available Room」の略で、販売可能な客室1室あたりの客室売上を示します。

「客室売上÷販売可能客室数」または「ADR×OCC」で算出できます。
例えば、ADRが20,000円、OCCが70%であれば、RevPARは14,000円です。

RevPARには客室単価と稼働率の両方が反映されるため、客室販売の成果を確認する際に役立ちます。
ただし、人件費や販売手数料などを差し引いた利益率そのものを示す指標ではありません。
利益を確認する場合は、運営費も含めて分析する必要があります。

ホテル経営を始めるには営業許可が必要

続いて、ホテル経営を始める際に必要な許可や法令を確認します。
日本で宿泊料を受けて旅館・ホテル営業を行う場合は、原則として旅館業法に基づく営業許可が必要です。
建物にはほかの法令も関係するため、計画段階から関係機関へ相談してください。

旅館業法に基づく営業許可を取得する

旅館業を経営する場合は、都道府県知事や、保健所を設置する市・特別区の市長または区長などから営業許可を受ける必要があります。
施設は、旅館業法施行令などに定められた構造設備基準や、自治体の条例に基づく衛生基準を満たさなければなりません。
施設の完成後には、構造設備が基準に適合しているかを確認する検査も行われます。

条例や申請手続きは自治体によって異なる場合があります。
ホテルを計画している地域の保健所へ早めに相談し、必要な書類や施設基準を確認してください。

消防法や建築基準法なども確認する

ホテルの開業では、旅館業法の営業許可だけでなく、消防法や建築基準法、都市計画法などが関係する場合があります。

既存の建物をホテルへ転用するときも、現在の設備や用途のまま営業できるとは限りません。
用途変更の手続きや消防設備の設置、建物の改修などが必要になる可能性があります。

物件の取得や工事を進めたあとに問題が判明すると、計画の変更や追加費用が発生しかねません。
契約や着工の前に、保健所、建築、消防などの関係部署へ相談することが重要です。

ホテル経営にかかる主な費用

ホテル経営では、土地や建物の取得・賃借費に加え、人件費、水道光熱費、清掃費、リネン費、設備の修繕費などが発生します。
売上が増えても費用が大きくなれば利益は残らないため、固定費と変動費を分けて管理することが大切です。

人件費や清掃費などの運営コスト

ホテルでは、フロント、清掃、予約管理、設備管理、飲食部門など、さまざまな業務に人員が必要です。
客室を販売するたびに、清掃やリネン交換、アメニティ補充などの費用も発生します。

客室が売れなくても発生する賃料や一定の人件費と、稼働状況に応じて増減する清掃費などを分けて把握すると、利益を圧迫している原因を分析しやすくなります。

ただし、人員やサービスを削減しすぎると、業務負担や顧客満足度へ影響する可能性があります。
単純なコストカットではなく、業務効率とサービス品質のバランスを考えることが重要です。

ホテル経営を安定させるためのポイント

以下では、ホテル経営を安定させるための主なポイントを解説します。
適切な料金設定に加え、ターゲットの明確化や販売チャネルの管理、サービス品質の改善、業務効率化などを継続することが大切です。
数値と宿泊者の反応の両方を確認しましょう。

需要に応じて客室料金を調整する

ホテルの宿泊需要は、曜日や季節、地域のイベント、予約状況などによって変化します。
そのため、年間を通して同じ料金で販売するのではなく、需要に合わせて調整することが重要です。

需要が高い日に早い段階で満室になる場合は、客室料金を引き上げる余地があるかもしれません。
一方、需要が低い日は、値下げだけでなく連泊プランや特典を用意する方法もあります。

ADRとOCCの動きを確認し、RevPARの改善につながる価格帯を検討してください。

ターゲットに合わせてホテルの特徴を明確にする

ホテル経営では、主なターゲットを明確にすると、設備やサービス、宿泊プランを設計しやすくなります。

ビジネス客が中心であれば交通利便性や仕事環境、訪日旅行者を対象とするなら多言語対応や周辺観光情報など、重視される要素が異なります。

幅広い顧客を取り込もうとして設備やサービスを増やしすぎると、ホテルの特徴が伝わりにくくなり、費用も膨らむ可能性があります。
立地や競合状況を踏まえて自社が選ばれる理由を整理し、販売戦略へ反映することが大切です。

公式サイトからの直接予約を増やす

OTAは多くの利用者へ情報を届けやすい一方、予約成立時に手数料が発生するのが一般的です。
そのため、公式サイトからの直接予約を増やせれば、仲介手数料の負担を抑えられる場合があります。

公式サイトでは、客室や館内設備を分かりやすく紹介し、予約画面まで円滑に進める導線を整えてください。
限定プランや会員特典を設け、直接予約を選ぶ理由をつくる方法もあります。

ただし、直接予約にも広告費や予約システムの利用料などがかかります。
OTAを一律に減らすのではなく、チャネルごとの集客力と費用を比較することが重要です。

口コミを分析して改善点を見つける

宿泊者から寄せられる口コミには、客室の清潔さや接客、食事、設備など、ホテル側では気付きにくい評価が含まれています。

評価点だけを見るのではなく、繰り返し指摘されている内容を分類すると、優先して改善すべき課題を見つけやすくなります。
例えば、チェックインに時間がかかるという意見が続く場合は、受付方法や案内手順の見直しが必要です。

一方、高く評価されている点は、自社の強みとして公式サイトや予約ページで伝えられます。
料金に見合った価値を提供することは、顧客満足度やADRを維持するうえでも重要です。

PMSを活用して予約や客室情報を一元管理する

PMSは、ホテルの予約情報や客室状況、宿泊者情報などを管理するシステムです。

予約数が増えるほど手作業による管理は複雑になり、入力ミスや情報共有の遅れが生じやすくなります。
PMSで情報を一元管理すれば、フロントや予約担当者が最新の客室状況を共有しやすくなるでしょう。

また、蓄積した予約数やADR、OCCなどのデータは、料金設定や販売戦略の検討にも活用できます。
導入そのものを目的にせず、自社の業務課題や必要な機能を整理してシステムを選ぶことが大切です。

ホテル経営で失敗を避けるための注意点

最後に、ホテルを開業する前に確認したい注意点を解説します。
需要や費用を十分に調べず、楽観的な条件だけで事業計画を立てると、開業後に資金が不足する可能性があります。
客室単価や稼働率、運営費を変えた複数の条件で試算してください。

開業前に複数の条件で収支を試算する

ホテルの開業を検討する際は、「稼働率70%なら黒字になる」といった一つの条件だけで事業性を判断しないことが重要です。

宿泊需要が想定を下回った場合や、客室単価を引き下げた場合、人件費や光熱費が上昇した場合など、複数のケースを想定して収支を確認してください。

建物の取得費や改装費だけでなく、開業後の広告費、清掃費、修繕費なども資金計画へ含めます。
売上が下振れしても事業を継続できる資金を確保し、開業後も計画と実績を定期的に比較することが大切です。

まとめ|ホテル経営は客室単価と稼働率を管理しながら利益を確保しよう

ホテル経営では、客室や付帯サービスの売上を確保しながら、施設運営にかかる費用を管理する必要があります。
開業時には旅館業法に基づく営業許可に加え、消防法や建築基準法などの確認も重要です。

経営状況を把握する際は、ADR・OCC・RevPARを組み合わせてください。
さらに、需要に応じた料金設定や販売チャネルの管理、サービス品質の改善、業務効率化を継続することが大切です。

客室を埋めることだけを目標にせず、適正な単価と稼働率を保ちながら、必要な利益を確保できる経営を目指しましょう。

宿夢では、ホテル・旅館の集客や収益改善を支援し、WEBマーケティングや販売戦略の立案など、施設ごとの課題に合わせたサポートを行っています。
自社に合ったホテル経営の方法や、安定した収益を目指すための改善策についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

お問い合わせは下記より受付しています。

Related posts

コラム監修者

北村 遼 Kitamura Ryo
株式会社宿夢 COO

<略歴>

  • 上智大学を卒業
  • 大手企業向けERPシステムの開発・販売・サポートを行う企業に就職
  • 経営資源に関するノウハウを培った後に、高級宿泊施設の予約サイトを運営する「株式会社一休」に転職。高級旅館・ホテルを累計300施設以上担当。
  • 同時に、新サービス「一休.comふるさと納税」を2名で立ち上げ、初年度から事業の黒字化に成功。事業部長に就任し、事業をさらに急成長させた。

株式会社宿夢に参画してからは、1年で企業規模を倍にさせることに成功し、COOに就任。

<講演実績>

一般社団法人 日本ホテル協会 主催「第94回幹部育成セミナー」 に講師として登壇

Contact

無料相談承ります

  • WEB集客を図りたいがやり方がわからない
  • SNSの運用に人員と時間を割けない
  • アメニティを商品化したいが方法がわからない

こんなお悩みございましたら、まずは気軽にご相談ください。