• コラム

2025.05.02

ホテル宣伝用の広告として利用できるものの種類と運用時のポイント

ホテルの集客では、広告を活用していきましょう。

ただ「広告の種類が多くて悩んでいる」「ホテル業界に適したものがわからない」という方もいるのではないでしょうか。

ただ広告を出すだけで集客につながるわけではないので、適したものを選び、運用していかなければなりません。

ここでは、ホテルにおける広告出稿を検討している方のため、検討できる広告の種類や出稿・運用時のポイントを解説します。

効果的な広告運用につなげたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ホテルの宣伝をするための広告の種類は?

まずは、広告にはどのような種類があるのかから押さえておきましょう。

代表的な種類は以下の通りです。

①Googleホテル広告

近年人気が高まっているWeb広告が、Googleホテル広告です。

検索エンジンの大手であるGoogleが提供しているサービスで、ホテルの情報に特化したWeb広告である特徴を持ちます。

ユーザーがGoogle検索やGoogleマップでホテルを検索した際、検索結果の上部に表示されるようになるのが特徴です。

以下のような情報が表示されます。

【主な表示内容】

  • ホテル名や基本情報
  • 写真
  • 評価とレビューの数
  • 空き状況
  • 予約サイトでの価格

レビューの中から一部抜粋して表示されることもあるので、ユーザーの目に留まりやすいといえるでしょう。

従来、Googleでホテルを検索する際は条件やホテル名を入力し、予約サイトや公式サイトに移動したうえで詳細を調べていかなければなりませんでした。

しかし、これらの手間を省き、検索結果に直接情報を表示することが可能です。

無料でも利用可能なので、宿泊業者であれば忘れずに登録しておきたい広告の一つです。

②リスティング広告

検索エンジンの検索結果一覧に表示する広告のことをリスティング広告といいます。

検索結果の上部に「スポンサー」「広告」などと表示される部分です。

利用は有料となっており、1クリックごとに設定された料金が発生するCPCという仕組みが基本になっています。

広告予算を見積もりやすいことや、どの程度クリックされたかによって成果を測定しやすいのがメリットです。

ただし、ユーザーが検索したキーワードに近いものが表示されることもあり、見込み顧客へのアピールには利用できるものの、潜在顧客へのアプローチは難しい特徴を持ちます。

③ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、バナー広告の一つです。

各検索の提携先であるサイトに掲載されることになります。

出稿側はターゲットの設定が可能であるため、ホテルの情報を調べている方に限定して広告を表示することが可能です。

テキストだけではなく、画像や動画などを用いたアプローチも多く利用されています。

1クリックごとに料金が発生するCPC、または1,000回掲載するための料金が設定されているCPMでの契約が基本です。

④SNS広告

近年利用者が多くなっているSNSを利用した広告もあります。

InstagramやX(旧Twitter)、Facebook、LINEなどに表示される広告です。

選択するSNSによって利用者層が異なるので、自社のターゲット層が多く利用しているSNSを選んで出稿することで効果を高められます。

いずれも手軽に出稿しやすいように使いやすい広告配信ツールが提供されているのが特徴です。

1クリックごとの料金設定であるCPC、1,000回掲載するための料金が設定されるCPMのほか、1回の視聴ごとの料金が設定されるCPV方式などが採用されています。

⑤OTAへの広告出稿

OTAとは「Online Travel Agent」を略したものであり、インターネット上から利用可能な旅行会社のことをいいます。

大きな特徴として、一般的な旅行会社とは違い、実店舗を持ちません。

代表的なところだと、以下のサービスが挙げられます。

【代表的なOTA】

  • じゃらん
  • 楽天トラベル
  • 一休.com
  • Yahoo!トラベル
  • AirBnB
  • Agoda
  • Booking.com
  • Expedia

日本だと、じゃらんや楽天トラベルの市場シェアが高いとされます。

一方、外国人観光客にアプローチしたいのであれば、Booking.comやExpediaにも注目しましょう。

OTAによってシェア率の高い国やターゲットの年齢層などが異なるので、慎重に出稿先の判断が必要です。

⑥客室テレビを使った広告

自社で運営しているホテルの客室テレビを使った広告もあります。

たとえば、ホテル内にあるレストランのメニューを紹介したり、スパを宣伝したりするのも良いでしょう。

ホテルで販売しているアメニティグッズなどの宣伝にも活用できます。

インフォメーション機能を搭載した客室用テレビを導入すれば、ユーザーは簡単な操作でホテルの宣伝メニューをチェック可能です。

レストランやスパなどの付帯施設をテレビ上から予約できるシステムを導入すれば、予約率アップも期待できます。

⑦テレビCM

テレビを見ている層に働きかけられるのが、テレビCMです。

テレビCMは4大マス広告(テレビCM、雑誌、新聞、ラジオ)と呼ばれるものの中でも特に効果が期待できる一方で、高額な費用がかかるという特徴を持ちます。

そのため、自社のテレビCMを放送し続けるのは難しいと感じるケースが多いといえるでしょう。

限定的な利用に適した方法です。

新プランを開始した際の宣伝などに役立ててみてはいかがでしょうか。

注意点として、テレビCMを放送したからといって必ずしも費用以上の効果につながるとは限りません。

放送する内容によっても反応や期待できる効果が変わってくるので、慎重な検討が求められます。

⑧紙媒体の広告

近年はインターネットを用いた広告が主流になってきましたが、紙媒体もまだまだ需要があります。

特にシニア層には紙媒体の方がわかりやすかったり、なじみがあったりする方も多くいるようです。

以下のような選択肢があります。

【紙媒体の広告】

  • 新聞や雑誌の広告枠
  • 新聞の折り込みチラシ
  • ポスティング

フリーペーパーの広告枠に出稿するのも良いでしょう。

保存しやすいので、気になる広告や折り込みチラシをとっておくユーザーも多くいます。

注意点として、その紙媒体自体を手にしてくれた人に対してしかアプローチできません。

その他の宣伝と組み合わせて活用すると良いでしょう。

ホテルの宣伝に活用されることの多い広告はどれか

さまざまな広告の種類について紹介しました。

これらの中でも特にホテル業界で注目を集めて利用者が増加しているのが「Googleホテル広告」です。

ホテル業界ではOTAが主流ではありますが、自社サイトを集客する目的で戦略的にGoogleホテル広告が活用されています。

宿泊するホテルの候補を探す際に、Googleを使って検索した経験がある方もいるでしょう。

Googleホテル広告では自社ホテルに関連したキーワードを検索したユーザーにホテルをPRできます。

また、そのままOTAや自社の予約サイトへ誘導できるのも強みです。

Googleホテル広告とリスティング広告は何が違う?

近年利用者が増えているGoogleホテル広告と混同されやすいのが、リスティング広告です。

これらの代表的な違いを2つ解説します。

違い①広告枠

まず、出稿した広告が表示される場所が違います。

Googleホテル広告は、Google検索結果の右下に表示される形です。

ホテルに関する基本情報のほか、各予約サイトでの料金の比較などが表示されます。

無料の掲載枠もありますが、有料掲載枠の方が上位表示されるので、ユーザーの目に留まりやすくなるでしょう。

また、Googleマップにも表示されるのが特徴です。

ホテルの場所や基本的な情報、料金に関することが表示されます。

一方、リスティング広告が表示されるのは、Google検索結果の検索窓下部です。

Googleホテル広告とは異なり、直接予約サイトの料金などは確認できないのも違いといえます。

違い②Google Hotel Center登録の要否

Googleホテル広告を出稿する場合は、Google Hotel Centerに登録しなければなりません。

Google Hotel Centerとは、Googleホテル広告に関する管理を行うためのものです。

広告を出稿する場合は、Google広告ログイン用のGoogleアカウントと、Google Hotel Centerの両方のアカウントが必要になります。

一方で、リスティング広告はGoogle Hotel Centerに登録せずに利用できます。

なお、Google Hotel Centerの登録は無料で、手間もそれほどかかりません。

Googleホテル広告を出稿するメリット

多くの宿泊施設がGoogleホテル広告を出稿しているのは、利用することによりメリットが得られるからです。

主なメリットは以下の2つです。

メリット①Googleユーザーに直接アプローチできる

Googleホテル広告を出稿すると、Googleの検索結果にホテルの情報が表示されるようになります。

そのため、Googleユーザーに直接アプローチできるのは大きなメリットといえるでしょう。

Googleといえば非常に利用率が高い検索エンジンであり、多くの方がGoogleで宿泊先の候補を探しています。

OTAも多くの利用者がいますが、それでもGoogleほどではありません。

集客力を高めていくためにもGoogleホテル広告を活用し、Googleユーザーにアプローチしていきましょう。

メリット②スマートフォンとの相性が良い

スマートフォンとの相性が非常に良いのもGoogleホテル広告の大きなメリットです。

パソコンで情報を収集する方もいますが、日常的に使用しているスマートフォンで宿泊先の情報を収集するユーザーが増えてきました。

たとえば、今すぐ予約できるホテルを探している人や、移動中にホテルを検索している人はスマートフォンで情報収集することが多いといえます。

Googleホテル広告はスマホで閲覧した際に見やすい形に表示形式が整えられているので、Googleを利用しているスマホユーザーにアプローチするのに適した方法です。

Googleホテル広告を出稿するデメリット

デメリットとして押さえておきたいのが、無料枠では大きな効果を実感できないケースがあるということです。

そのため、基本的に有料枠の利用を検討することになるでしょう。

それでもOTAと比較すれば費用は抑えられますが、それなりの広告費がかかってしまうのはデメリットです。

利用するホテルの広告を選ぶ際のポイント

紹介したように、ホテルの集客で利用可能な広告にはさまざまな種類があります。

その中から自社に適したものを選ぶために、以下のポイントを押さえておきましょう。

ポイント①ターゲットを明確にする

はじめに行わなければならないのが、ターゲットを明確にしておく作業です。

出稿先によって閲覧するユーザーの年齢層や特徴が異なります。

広告を出稿する際は、先にターゲットを明確にしておき、そのターゲットに対して効果的にアプローチできるような出稿先と、適した種類の広告を選ばなければなりません。

ターゲットを設定せずに広告を運用すると、広く浅いアプローチになってしまい、効果的とはいえないので注意が必要です。

ターゲットを明確にする際は、どういったユーザーに来て欲しいのかだけではなく、実際にどのようなユーザーが来ているのかも含めて考えなければなりません。

データをもとに理想のユーザー像であるペルソナ設定も行いながら、ターゲットを明確化していきましょう。

ポイント②運用の手間を考える

手間がかかるような運用は長続きしないため、できるだけ手間がかからない種類の広告を選ぶと良いでしょう。

カスタマイズが難しかったり、専門的な知識が必要になったりするものはそれらを学ぶところから始めなければならないので、時間もかかります。

特に人手不足に悩んでいるホテルの場合、広告の対応に時間をかけるのは難しいはずです。

自社での対応が難しいと感じている場合は、専門家に運用代行を頼むことも検討してみてはいかがでしょうか。

専門的な目線で対応してもらえるため、手探り状態で始めるよりも高い効果が期待できます。

ポイント③必要となる広告費を確かめる

広告を掲載する媒体や、出稿の仕方によって広告費は大きく異なります。

そのため、先にどの程度の広告費を確保できるか明確にしておき、その範囲内で出稿できる広告を選びましょう。

広告費をかければかけるほど大きな効果が得られるとは限りません。

大切なのは、ターゲットに適した種類の広告を選び、ホテルの魅力をわかりやすく伝えることです。

広告費が高く付きすぎて人件費を削らなければならず、ホテルの品質が低下してしまったといったことがないように注意しましょう。

ポイント④競合のホテルと比較する

ユーザーはいくつかの宿泊先を比較することが多いので、競合のホテルがどのような広告を出稿しているのかチェックしてみることも重要です。

どういった種類のどのような内容の広告を出しているのか調べましょう。

自社では行っていない工夫が見えてくることもあります。

比較して気づいたことがあれば、そのポイントを自社の広告でも取り入れると良いでしょう。

競合が強すぎる場合、同じ媒体の広告で勝負しようとしてもコストばかりがかかってしまうケースも珍しくありません。

競合が出稿していない広告の中で自社の強みを発揮できるものがあれば、そちらに力を入れたほうが有利になることもあります。

ホテルが広告を出稿・運用するときに覚えておくべきこと

実際にホテルが広告を出稿したり、運用したりする際にはどのようなことを押さえておくべきなのでしょうか。

ここでは事前に確認しておきたいポイントを解説していきます。

最新情報を発信する

広告を見たユーザーはその情報を参考に宿泊を検討したり、情報を収集したりします。

そのため、最新情報を発信しておくことは欠かせません。

発信されている情報が古い場合、それを参考にしたユーザーからのクレームにつながってしまう恐れがあります。

複数の広告を運用する場合は、すべての広告で最新の情報を保てるように運用していきましょう。

正確な情報を掲載する

発信する情報の正確性も重要です。

たとえば、実際には置かれていないアメニティが置かれているように宣伝してしまうと、その前提で宿泊したユーザーからのクレームにつながる恐れが高くなります。

不便さを感じさせてしまうこともあるでしょう。

ユーザーが勘違いしないように、わかりやすく情報を届けることも大切です。

特に料金面での誤った情報が伝わるとトラブルにもつながりやすいため、注意しなければなりません。

口コミ投稿への導線を引く

多くの利用者は口コミ情報を参考にしてホテル選びをするので、利用者に口コミを投稿してもらうための導線を引いておきましょう。

口コミを投稿することがユーザーにとってのお得につながると、投稿率が高まります。

たとえば口コミを投稿してくれた方に粗品をプレゼントしたり、宿泊料金を少し割引したりするのもおすすめの方法です。

ただし、悪い口コミをされてしまうとマイナス評価になるので、良い口コミがもらえるように質の高いサービスを提供していかなければなりません。

効果測定を行う

広告を出稿したらそれで終わりにするのではなく、期待していた効果が得られているか測定を行いましょう。

効果測定の結果、思うような効果を得られていない場合は出稿先や出稿済み広告の見直しが必要です。

ただし、広告を出してすぐに効果が得られるわけではないので、早く見切りをつけすぎないように注意してください。

他の施策にも取り組む

広告以外の施策にも取り組んでいきましょう。

以下のような方法があります。

【組み合わせていきたいその他の施策】

  • 自社サイトを充実させる
  • SNS運用
  • メルマガの配信
  • リピーター向け特典を作る
  • ホテル内にフォトジェニックのスポットを設ける

集客のためにできることはたくさんあります。

従業員とも意見を出し合いながら取り組んでいきましょう。

ホテルの集客のために広告での宣伝が役立つ

ここでは、ホテルの宣伝に活用できる広告の種類や運用について紹介しました。

効果的に広告を運用していくためのポイントもご理解いただけたのではないでしょうか。

多くのホテルが広告での集客に力を入れているので、競合に負けないように取り組んでいきましょう。

旅館やホテルのコンサルティングを行っている「宿夢」では、課題解決のトータルサポートを提供しており、Webコンサルティングも得意としています。

自社で実際に広告を運用した経験があるもののうまくいかなかった、専門的な知識が不足していて不安に感じるといった場合は、ぜひご相談ください。

 

旅館・ホテル専門のコンサルティングなら株式会社宿夢

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コラム監修者

加藤大樹 kato daiki
取締役 副社長

<略歴>

  • 日本47都道府県制覇を5回達成した後、高級宿泊予約サイト「一休.com」に入社。
  • 旅館・リゾートホテルチームの営業と、バケーションレンタル事業の営業責任者を兼務し、ラグジュアリー領域を二刀流で経験
  • 2023年7月に株式会社宿夢の取締役副社長に就任。

弊社「宿夢」は、旅館・ホテル業界の課題解決に特化したコンサルティング会社として、業界の専門知識を活かし、宿泊施設の経営改善をサポートしています。
私たちの目指すのは、旅館・ホテル様それぞれが描く夢を実現すること。
そのために"宿のお困りごとは宿夢へ"をテーマに宿の総合商社を目指しております。

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