- コラム
2025.02.28
【例文付き】ホテルの口コミ返信のポイントを抑えて予約率アップ!

悪い口コミへの対応でお悩みではありませんか。対処法がわからず、見て見ぬふりをしている方もいるでしょう。放っておきたくなるかもしれませんが、悪い口コミを放置することは避けるべきです。ホテルのイメージ、集客力などに悪影響を及ぼす恐れがあります。口コミへの返信で、誠実かつ丁寧な対応を印象づけることが大切です。
ここでは、ホテルが悪い口コミに返信しなければならない理由、返信する際に意識したいポイント、返信するときに活用できる例文を紹介しています。悪い口コミでお困りの方は参考にしてください。
ホテルの口コミ返信が重要な理由
口コミは、ホテルを利用したお客様が公式サイト、予約サイト、SNSなどに投稿する感想、意見です。お客様が投稿する口コミは、ホテルの集客力に大きな影響を与えます。「オレンジページくらし予報」の調査で、93.3%の方が宿泊施設を選ぶときにランキングサイトや口コミサイトを参考にする(参考にする:42.9%、参考にするときもある:50.4%)と回答しています。
以上の結果から、口コミがホテルを評価するツールとして機能していることがわかります。
出典:オレンジページくらし予報「国内旅行の目的 1 位は『観光』75.6% 宿泊施設の『ランキング、口コミを参考にする』93.3% 宿泊施設を選ぶ決め手は『料金』『温泉』『のんびり』」
残念ながら、ホテルがお客様の口コミをコントロールすることはできません。悪い口コミが投稿されることもあるでしょう。お客様に与える印象は、口コミに返信することで変えられる可能性があります。
株式会社ONE COMPATH(店舗情報管理サービス提供会社)が実施した調査では、以下の結果が示されています。
【口コミの返信に対する印象】
選択肢 | 割合 |
返信があると、丁寧な対応をしているお店だと感じる | 58.1% |
返信があると、好感が持てる | 34.0% |
同調査では、ネガティブな口コミに対して「まごころ型」の返信をすることで、訪問意欲が大幅にアップすることも示されています。
出典:LocalONE「【9月3日はクチコミの日】LocalONE、口コミの返信に関する意識調査」
お客様の多くがホテル選びの際に口コミを重視しており、返信によってホテルの印象を改善できるため、悪い口コミには返信することが重要です。
ホテルが悪い口コミに返信する際のポイント
続いて、悪い口コミに返信するときに、意識したいポイントを紹介します。
投稿されてから数日以内に返信する
悪い口コミには、できるだけ早く返信します。ホテルからの返信を期待しているお客様が多いためです。勇気をもって投稿したお客様や、時間をかけて投稿したお客様ほど、この気持ちが強くなる傾向があります。
返信に時間がかかると「ホテルから無視された」「いい加減な対応をするホテル」などと感じさせてしまいます。他の口コミに対して返信している場合は特に注意が必要です。返信するタイミングは、投稿から2日~3日以内が目安といえます。理想は当日中の返信です。素早く対応することで、丁寧かつ誠実な印象を与えられます。事実確認に時間がかかる場合は、口コミを確認中であることや、後ほど返信することを伝えておくとよいでしょう。
丁寧な言葉遣いでわかりやすい文章を書く
丁寧な言葉遣いとわかりやすい表現を意識することも大切です。株式会社ONE COMPATHが実施した調査で、17.1%の方が「返信に『絵文字』が含まれているのは気に入らない」と回答しています。
出典:LocalONE「【9月3日はクチコミの日】LocalONE、口コミの返信に関する意識調査」
極端な例ですが、返信の内容と言葉遣いがあっていないと、真意を伝えられない恐れがあります。たとえば、友達口調で謝罪をしても、受け入れてもらえないことが多いでしょう。そのため、悪い口コミに返信する際は、原則として丁寧な言葉遣いを意識しましょう。
文章のわかりやすさにも注意が必要です。1つの文に複数の事柄を入れるとわかりにくくなってしまいます。悪い口コミに返信するときは、シンプルな表現、文章を心がけましょう。
定型文を繰り返し使わない
返信する際に気をつけたいのが定型文の使いまわしです。口コミを投稿したお客様の状況はそれぞれ異なります。画一的な対応をすると、返信をしていても「謝罪していない」「指摘を無視している」などと捉えられる恐れがあります。すべてが定型文の対応は、不誠実な印象を与えやすいため特に注意が必要です。ホテルの印象をさらに悪くしてしまうことも考えられます。
悪い口コミに返信する際は、お客様の状況を確認したうえで、一人ひとりにあわせた対応をすることが大切です。株式会社ONE COMPATHが実施した調査によると、2割以上(23.2%)の方が、口コミの返信を店頭での接客と同じものと捉えています。ホテルで実際にお客様が困っていると想定し、対応しましょう。
出典:LocalONE「【9月3日はクチコミの日】LocalONE、口コミの返信に関する意識調査」
投稿者以外にも読まれることを意識する
予約サイトなどの口コミは、原則として誰でも読める状態です。ホテルを評価するツールとして活用されています。9割以上の方が宿泊施設を選ぶ際に口コミを参考にしていることから、口コミの影響力の大きさがわかります。
出典:LocalONE「【9月3日はクチコミの日】LocalONE、口コミの返信に関する意識調査」
ここでいう口コミには、ホテルの返信も含まれているといえるでしょう。多くのお客様が、悪い口コミに対してホテルがどのように対応しているか見ています。自身がトラブルに巻き込まれたときの対応を予想できるためです。不誠実な対応をしていると、見込み客から避けられる恐れがあります。すべての方に信頼してもらえる返信を心がけることが大切です。
【例文】悪い口コミへの返信内容
投稿された悪い口コミに、どう対応すればよいのでしょうか。ここからは、返信の例文を紹介します。
例文①予約をしていたレストランで待たされた
田中様
この度は、XXXホテルをご利用いただき誠にありがとうございます。
当ホテル内のレストラン「○○○」をご利用いただく際に、ご不便とご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。ご予約のお時間にお越しいただいたにもかかわらず、長時間にわたりお待たせしたことを深く反省しております。また、ご旅行中の貴重なお時間を無駄にしてしまい大変申し訳なく思っております。
担当者に確認したところ、予約時間の確認ミスが原因とのことでした。同様のミスが起こらないように、複数人のスタッフで予約時間を確認する体制に変更させていただきます。
「レストラン○○○」の対応について、改めて深くお詫び申し上げます。また、この度は貴重なご意見をいただきありがとうございました。田中様のまたのご来館を、心よりお待ちしております。
XXXホテル支配人 斎藤
例文②スタッフの接客が悪かった
山本様
この度は、ホテル□□□をご利用いただき誠にありがとうございました。支配人の葛西と申します。
当ホテルスタッフの対応で、山本様に不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。ホテル□□□では、最高のおもてなしを提供するべく努力を重ねておりますが、私どもの至らなさゆえに、このような結果になってしまいました。
ご指摘をいただいた件に関し、事実関係を確かめたのち、担当者に注意をいたしました。今後は、同様の問題が起こらないように、接遇に関する教育をスタッフ全員に実施する予定です。お客様にご満足いただけるおもてなしを提供できるよう全力を尽くしてまいります。
不快な思いをさせてしまったことに対し、改めて深くお詫び申し上げます。この度は貴重なご意見をいただきありがとうございました。山本様のまたのご来館を心よりお待ちしております。
ホテル□□□支配人 葛西
例文③部屋の水回りが汚れていた
佐藤様
DDDホテルをご利用いただき誠にありがとうございます。
この度は、水回りの清掃が行き届いておらず、佐藤様にご不快な思いをさせてしまったこと、心よりお詫び申し上げます。清潔で快適なお部屋をお客様に提供できるよう努めておりますが、このような結果になってしまったことを深く反省しております。
佐藤様の貴重なご意見を真摯に受け止め、今後は徹底した清掃を行ってまいります。具体的な対策として、客室清掃業務マニュアルの見直しを行いました。清掃スタッフの研修も実施していく予定です。
今後も、快適にお過ごししていただけるよう、スタッフ一同全力を尽くしてまいります。佐藤様のまたのご来館を心よりお待ちしております。
DDDホテル支配人 上川
例文④貸出品Aが不足していた
下田様
ホテル△△をご利用いただき誠にありがとうございました。総支配人の田中と申します。
貸出品Aが不足していたためご不便をおかけことを心よりお詫び申し上げます。下田様のご要望にお応えできず誠に申し訳ございませんでした。
いただいたご意見を真摯に受け止め、貸出品Aを新たにご用意させていただきました。また、同様の事態が起こらないように、今後は貸出品の在庫管理を徹底するとともに、必要な物品を迅速に提供できるよう努めてまいります。
お客様にご満足いただけるサービスを提供するため、スタッフ一同、全力を尽くしてまいります。下田様のまたのご来館を心よりお待ちしております。
ホテル△△総支配人 田中
【例文】良い口コミへの返信内容
お客様との信頼関係を築くために、良い口コミにも返信することが大切です。ここでは、返信の例文を紹介します。
【例文:スタッフの対応が丁寧だった】
稲田様
この度は、ホテルGGをご利用いただき誠にありがとうございます。また、スタッフの対応をお褒めいただき光栄に存じます。
ホテルGGでは、お客様に最高のサービスをご提供するため、細かなマニュアルはあえて設けておりません。基本的な研修を実施したうえで、それぞれのスタッフが目の前のお客様から求められていることを行うようにしております。稲田様の温かいお言葉は、最高のサービスを追求して努力しているスタッフの大きな励みになります。
今後も、お客様にご満足いただけるように努力を重ねてまいります。稲田様のまたのご来館を心よりお待ちしております。
ホテルGG支配人 北田
返信で悪い口コミをアピールに変える
ここでは、悪い口コミに対するホテルの返信について解説しました。多くのお客様がホテルを選択する際に口コミを参考にしているため、悪い口コミへの対応は慎重に行う必要があります。基本的には、できるだけ早く返信し、丁寧な言葉遣いを意識し、定型文を繰り返さないことを心がけるとよいでしょう。
内容を工夫することで、ホテルの印象を改善できる可能性があります。悪い口コミに落ち着いて対処することが大切です。
コラム監修者

<略歴>
- 日本47都道府県制覇を5回達成した後、高級宿泊予約サイト「一休.com」に入社。
- 旅館・リゾートホテルチームの営業と、バケーションレンタル事業の営業責任者を兼務し、ラグジュアリー領域を二刀流で経験
- 2023年7月に株式会社宿夢の取締役副社長に就任。
弊社「宿夢」は、旅館・ホテル業界の課題解決に特化したコンサルティング会社として、業界の専門知識を活かし、宿泊施設の経営改善をサポートしています。
私たちの目指すのは、旅館・ホテル様それぞれが描く夢を実現すること。
そのために"宿のお困りごとは宿夢へ"をテーマに宿の総合商社を目指しております。