• コラム
  • マーケティング
  • Web集客

2025.05.02

ホテルのインバウンド対策とは?外国人観光客を集客する方法や受け入れ体制を解説

訪日外国人旅行者の増加を受け、ホテルではインバウンド需要を取り込むための対策が重要になっています。
日本政府観光局によると、2025年の訪日外客数は4,268万3,600人で過去最多となり、2026年7月も344万2,100人と7月の過去最高を記録しました。

ただし、海外OTAへ掲載するだけでは、予約や宿泊後の満足度向上につながるとは限りません。
多言語での情報発信や館内案内、決済環境などを一体的に整える必要があります。

本記事では、ホテルのインバウンド対策の考え方から、外国人観光客の集客方法、受け入れ体制を整えるポイントまで詳しく解説します。

ホテルにおけるインバウンド対策とは?

ホテルのインバウンド対策には、外国人旅行者を集客する施策と、快適に宿泊してもらうための環境整備が含まれます。どちらか一方では十分な効果を得にくいため、予約前から滞在後までを一貫して考えることが大切です。
ここでは、対策の基本的な考え方を解説します。

外国人旅行者の予約から滞在までを支える取り組み

ホテルのインバウンド対策とは、日本を訪れる外国人旅行者に施設を知ってもらい、予約や快適な滞在につなげる取り組みです。
海外OTAへの掲載や公式サイトの多言語化だけでなく、チェックイン、決済、館内案内、Wi-Fiなどの受け入れ環境も対象になります。

例えば、ホテルを見つけても予約画面が日本語だけでは、手続きの途中で離脱されるかもしれません。
また、予約できても設備の使い方や館内ルールが伝わらなければ、不満やトラブルにつながります。
「認知・比較・予約・滞在・口コミ」という流れに沿って課題を確認することが重要です。

ホテルがインバウンド対策を強化するメリット

インバウンド対策を強化すると、国内だけでなく海外市場からも宿泊需要を取り込めます。
顧客層や販売チャネルを広げることで、特定の市場への依存を抑えられる場合もあります。
ここでは、ホテルがインバウンド対策に取り組むメリットを解説します。

海外市場から新しい宿泊需要を取り込める

日本政府観光局によると、2025年の訪日外客数は4,268万3,600人となり、年間の過去最高を更新しました。
また、2026年7月も前年同月比0.1%増の344万2,100人で、7月として過去最高です。

こうした需要を取り込めれば、国内旅行者だけを対象にする場合よりも販売機会を広げられます。
国や地域によって休暇の時期や旅行目的が異なるため、国内需要が弱い時期の稼働を補える可能性もあります。
ただし、市場ごとに需要の動きは異なるため、外国人旅行者を一括りにせず、自施設と相性のよい市場を見極めることが大切です。

ホテルのインバウンド対策におけるターゲット市場の決め方

国や地域によって、利用する予約サイトや旅行時期、宿泊中に求めるサービスは異なります。
そのため、「外国人旅行者」という広い設定では、施策の優先順位を決めにくくなります。
ここでは、自施設が狙うターゲット市場の決め方を解説します。

既存の外国人宿泊者データを分析する

まずは、自施設を利用した外国人宿泊者の国・地域、予約チャネル、宿泊日数、利用プランなどを確認します。
予約件数だけでなく、ADRやキャンセル率、宿泊時期まで分析すると、収益や稼働率に貢献している市場を把握しやすくなります。

十分なデータがない場合は、観光庁や日本政府観光局、自治体などが公表する地域別・市場別の統計も参考になります。
地域を訪れている旅行者の傾向と自施設の実績を比較し、獲得できていない市場があれば、情報発信や販売チャネルに改善余地がないか検討してください。

国や地域ごとの旅行行動に合わせる

ターゲット市場を決めたあとは、利用されるOTAやSNS、旅行時期、重視されるサービスなどを調査します。
例えば、同じ観光目的でも、情報収集に使う媒体や予約の時期、平均宿泊日数は市場によって異なる場合があります。

また、食事や決済、館内設備に対する要望も一様ではありません。
自施設の宿泊実績や口コミを確認し、予約前後のどこで不便が生じているかを整理しましょう。
市場ごとの課題を把握すれば、限られた予算や人員を優先度の高い施策へ配分しやすくなります。

関連記事:ホテルブランディングの重要性と成功させるために必要な要素について

外国人観光客を集客する方法

外国人観光客へホテルの魅力を届ける方法には、海外OTAや公式サイト、検索サービス、SNSなどがあります。
複数の媒体を闇雲に利用するのではなく、ターゲット市場との相性を確認することが大切です。
ここでは、代表的なインバウンド集客の方法を解説します。

ターゲット市場と相性のよい海外OTAを選ぶ

海外OTAを利用すると、宿泊地や日程、料金などからホテルを探している外国人旅行者と接点を持ちやすくなります。
ただし、OTAによって利用者の多い国・地域や販売条件が異なるため、知名度だけで選ばないことが大切です。

掲載後は予約数に加え、ADR、宿泊日数、キャンセル率、手数料などを比較します。
また、客室や浴室、朝食、周辺環境の写真を掲載し、設備や食事内容を具体的に説明してください。
予約実績と収益性を確認しながら、成果の高いOTAへ在庫やプランを配分すると効率的です。

公式サイトと予約画面を多言語化する

海外OTAでホテルを知った旅行者が、詳しい情報を得るために公式サイトを確認する場合があります。
最初からすべてのページを翻訳するのではなく、客室、料金、アクセス、設備、チェックイン時間、キャンセル条件など、予約判断に必要な情報を優先しましょう。

また、公式サイトだけを翻訳しても、予約画面が日本語のみでは手続きを完了できない可能性があります。
空室検索からプラン選択、情報入力、決済、予約確認まで、同じ言語で進められるか確認してください。
多言語化では情報量よりも、必要な情報を正確かつ最新の状態で伝えることが重要です。

外国人旅行者の受け入れ体制を整える方法

集客に成功しても、館内で必要な情報が伝わらなければ、満足度の低下やトラブルにつながります。
すべてをスタッフの語学力だけで補う必要はなく、案内資料や翻訳ツールも活用できます。
ここでは、外国人旅行者の受け入れ体制を整える方法を解説します。

チェックインや館内案内を多言語化する

チェックインでは、朝食時間やチェックアウト方法、Wi-Fi、館内設備、荷物預かりなど、多くの情報を短時間で案内します。
口頭説明だけに頼ると伝達漏れが生じやすいため、多言語の案内用紙やタブレット、QRコードなどを組み合わせるとよいでしょう。

観光庁も、訪日外国人旅行者の円滑な移動・滞在に向けて、多言語対応の改善を進めています。
案内文は直訳するだけでなく、短い文章やピクトグラムを使い、初めて宿泊する人でも理解しやすい内容に整えることが大切です。
災害時の避難経路や緊急連絡先も忘れずに案内してください。

文化や習慣の違いを踏まえて利用ルールを伝える

大浴場や温泉、和室など日本特有の設備は、外国人旅行者が利用方法を知らない場合があります。
「禁止」「できません」と注意事項だけを掲示するのではなく、正しい利用手順と理由を写真や図で示すと伝わりやすくなります。

ゴミの分別や館内着、靴を脱ぐ場所、夜間の過ごし方なども、文化的な前提が異なれば理解されにくい内容です。
利用者のマナーだけを問題にせず、ホテル側の案内が十分か確認してください。
スタッフも主な文化や習慣の違いを共有しておくと、不要な行き違いを防ぎやすくなります。

利用できる決済方法を分かりやすく案内する

外国人旅行者が安心して予約できるよう、公式サイトやOTAには利用可能な決済方法を明記します。
クレジットカードやQRコード決済など、どのブランドに対応しているかに加え、事前決済と現地払いのどちらなのかも分かりやすく示してください。

予約時に支払いが完了したと思っていた宿泊者へ、チェックイン時に再び請求するとトラブルになりかねません。
デポジットや宿泊税、追加料金が発生する場合も、金額と支払うタイミングを事前に伝えることが重要です。
決済手段を増やす場合は、利用実績と導入・運用コストのバランスも確認しましょう。

Wi-Fiの接続方法を多言語で案内する

外国人旅行者は、滞在中の地図検索や翻訳、交通情報の確認などにインターネットを使用する場合があります。
観光庁も、訪日外国人旅行者の受け入れ環境として無料Wi-Fiなどの通信環境整備を進めています。

Wi-Fiを導入するだけでなく、SSIDやパスワード、接続手順を多言語で案内してください。
客室やフロントなどの見つけやすい場所に掲示し、QRコードから接続情報を確認できるようにする方法もあります。
また、客室によって通信状況に差がないかを定期的に確認し、問題が起きた際の問い合わせ方法も示しておくと安心です。

Google検索やSNSでホテルの魅力を発信する

外国人旅行者の情報収集手段の一つとして、Google検索やGoogleマップなどのサービスが利用される場合があります。
Googleビジネスプロフィールに登録している所在地や写真、電話番号、公式サイトなどを確認し、実際の施設情報と一致させてください。

また、ターゲット市場で利用されているSNSを選び、客室や料理だけでなく、滞在中の過ごし方や周辺観光も写真・動画で紹介する方法があります。
投稿を見た人が予約方法を確認できるよう、公式サイトや宿泊プランへの導線も整えましょう。
GoogleやSNSは集客手段の一例と捉え、自施設の顧客層に合わせて活用することが大切です。

関連記事:ホテル・旅館がSNSマーケティングに取り組むべき理由と成功のポイント

外国語の口コミから強みと課題を分析する

海外OTAやGoogleなどに寄せられる外国語の口コミには、ホテルの強みや受け入れ体制の課題が表れます。
例えば、スタッフの対応や朝食が繰り返し評価されていれば、公式サイトやSNSで訴求できる要素になります。
一方、駅からの行き方や設備の利用方法への不満が多ければ、多言語案内の見直しが必要です。

口コミは評価点だけで判断せず、「客室」「接客」「食事」「アクセス」「設備」などに分類して傾向を確認してください。
外国語で返信する場合は翻訳内容を確認し、事実に基づく丁寧な対応を心がけましょう。

関連記事:【例文付き】ホテルの口コミ返信のポイントを抑えて予約率アップ!

ホテルのインバウンド対策を進める際のポイント

インバウンド対策は、施策を増やすだけで成果が出るものではありません。
予約数や収益性を確認し、自施設の規模や人員に合った範囲から進めることが大切です。
ここでは、インバウンド対策を継続的に運用するためのポイントを解説します。

国・地域別の予約数と収益性を確認する

外国人宿泊者数だけをまとめて確認すると、どの市場が収益へ貢献しているのか判断しにくくなります。
国・地域別に予約数、ADR、平均宿泊日数、キャンセル率、利用チャネルなどを記録し、前年同月や計画と比較してください。

予約数が多くても、割引やOTA手数料によって利益が残りにくい市場もあります。
反対に件数は少なくても、長期滞在や閑散日の利用が多ければ経営上重要な市場になるでしょう。
市場全体の訪日動向も確認し、自施設の施策による変化なのか、外部環境による影響なのかを分けて分析することが大切です。

関連記事:ホテルで活用できるマーケティング戦略7選&実際の成功事例について

すべての国や言語へ一度に対応しない

インバウンド対策として、すべての国や言語へ一度に対応する必要はありません。
対応範囲を急に広げると、翻訳や情報更新、問い合わせ対応などの負担が増え、古い情報が残る可能性があります。

まずは既存の宿泊実績や地域の訪日客データを基に優先市場を決め、必要性の高い言語から段階的に対応してください。
多言語化するページも、客室や料金、アクセス、予約条件などから始めると効率的です。
対応後は予約数や問い合わせ内容を確認し、必要に応じて対象言語やページを増やしましょう。

海外OTAだけに依存しない

海外OTAは新規顧客を獲得しやすい一方、契約に応じて販売手数料などが発生します。
予約の大半をOTAに依存すると、手数料負担が増えるだけでなく、販売条件や掲載順位の変化による影響も受けやすくなります。

OTAを認知や新規予約の入口として活用しながら、公式サイトの多言語化や予約導線の改善も進めてください。
チャネルごとの予約数、ADR、手数料、キャンセル率を比較し、実際に残る利益を確認することが重要です。
OTAを急に減らすのではなく、集客への影響を見ながら直接予約とのバランスを調整しましょう。

関連記事:ホテルに「リピーター」の存在が重要な理由と獲得のための方法

まとめ|ホテルのインバウンド対策は集客と受け入れ体制を一緒に整えよう

ホテルのインバウンド対策では、ターゲット市場を明確にし、海外OTAや多言語の公式サイトなどで集客するとともに、館内案内や決済、Wi-Fiといった受け入れ環境を整えることが重要です。

すべての市場へ一度に対応するのではなく、自施設の宿泊実績や地域のデータを基に優先順位を決めましょう。
施策の実施後は国・地域別の予約数や収益性を確認し、海外OTAと直接予約のバランスも継続的に見直してください。
宿夢では、ホテル・旅館に特化したWEBコンサルティングを通じて、施設ごとの課題に合わせた集客戦略の提案や情報発信を支援しています。
インバウンド需要を取り込み、ホテルの集客力を高めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

Related posts

コラム監修者

北村 遼 Kitamura Ryo
株式会社宿夢 COO

<略歴>

  • 上智大学を卒業
  • 大手企業向けERPシステムの開発・販売・サポートを行う企業に就職
  • 経営資源に関するノウハウを培った後に、高級宿泊施設の予約サイトを運営する「株式会社一休」に転職。高級旅館・ホテルを累計300施設以上担当。
  • 同時に、新サービス「一休.comふるさと納税」を2名で立ち上げ、初年度から事業の黒字化に成功。事業部長に就任し、事業をさらに急成長させた。

株式会社宿夢に参画してからは、1年で企業規模を倍にさせることに成功し、COOに就任。

<講演実績>

一般社団法人 日本ホテル協会 主催「第94回幹部育成セミナー」 に講師として登壇

Contact

無料相談承ります

  • WEB集客を図りたいがやり方がわからない
  • SNSの運用に人員と時間を割けない
  • アメニティを商品化したいが方法がわからない

こんなお悩みございましたら、まずは気軽にご相談ください。