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2025.02.28

【2025年最新】ホテル・旅館のMEO対策とは？今すぐ始められる基礎知識と実践法

MEO対策は、ホテル・旅館が積極的に実施すべき集客施策の一つです。地道な取り組みを求められますが、コストを抑えつつ見込み客にアプローチできる可能性があります。インバウンド需要を取り込むことも可能です。

本記事では、MEO対策の概要や、ホテル・旅館が取り組むべき理由、期待できるメリット、実施時の注意点を解説します。効果的な集客施策をお探しの方は参考にしてください。

MEO対策とは

MEOは「Map Engine Optimization」の略語です。日本語で「マップエンジン最適化」や「マップ検索エンジン最適化」などと訳されています。ここでいう「マップエンジン」や「マップ検索エンジン」とは、主にGoogleマップのことです。株式会社movが実施した調査によると、Googleマップの利用率は99.4%です（調査対象: 1240名［男性962名、女性271名］）。

MEO対策を簡単に説明すると、マップエンジンの検索結果で、自社のホテル・旅館を上位に表示させる取り組みといえるでしょう。

出典：PRTIMES「地図アプリ利用率1位はGoogleマップ！movが地図アプリの利用トレンドをレポート【2022年最新調査】」

基本の対策は、Googleビジネスプロフィールにホテル・旅館の情報を登録することです。検索順位は、登録した情報と口コミなどをもとに決まります。したがって、登録する情報をマップ検索エンジン（検索アルゴリズム）に最適化させることが大切です。

ただし、単に情報を登録するだけ、口コミを集めるだけで、上位表示されるわけではありません。多くの場合、地道な取り組みが求められます。

ホテル・旅館がMEO対策をする重要性

MEO対策は、ホテル・旅館にとって特に重要な取り組みと考えられています。旅行前あるいは旅行中に、Googleマップを使ってホテル・旅館を検索する方が多いためです。Googleマップを利用すると、以下の情報を確認できます。

【Googleマップでわかること】

ホテル・旅館の場所（現在地からの距離）
ホテル・旅館のランクと評価
ホテル・旅館の設備
ホテル・旅館の宿泊料金
ホテル・旅館の空室状況

目的地（または現在地）周辺のホテル・旅館を簡単に比較できるため、Googleマップを利用する人が多いと考えられます。MEO対策を実施していないと、検索結果の上位に表示されない恐れがあります。

また、表示されたとしても、選択されない可能性が高くなります。Googleマップをはじめとする地図検索サービスは、ホテル・旅館の集客経路のひとつです。対策を怠ると、一部のお客様からその地域に存在しないものとして扱われてしまいます。そのため、ホテル・旅館にとって重要な取り組みとされています。

ホテル・旅館がMEO対策をするメリット

MEO対策に期待できる主なメリットは以下の通りです。

メリット①ユーザーの目に留まる可能性が高まる

MEO対策を実施すると、検索結果でホテル・旅館の表示数を大幅に増やせる可能性があります。ローカルパックと呼ばれる部分に表示されるためです。ローカルパックは、特定のキーワードで検索したときに、画面上部に表示される店舗情報と地図情報を指します。通常の検索結果の上（検索バーの下）に表示されるため、多くの見込み客にアピールできます。

間接検索されたときに、表示を狙える点もポイントです。間接検索は、固有名詞ではなく一般名詞で検索する方法といえるでしょう。

具体的には「ホテル＋地名」「旅館＋地名」などの検索行動を指します。MEO対策を実施すると、自施設の名称以外でも検索結果の上位に表示される可能性が高まるのです。

一般的にMEO対策の競合は、SEO対策よりも少ないと考えられています。地域が限定されるうえ、MEO対策に注力していないホテル・旅館が多いためです。上位表示を狙いやすい点も、MEO対策を実施するメリットといえるでしょう。

メリット②口コミから強みをアピールできる

MEO対策のひとつとして、投稿された口コミの管理があげられます。口コミの管理は、お客様の投稿を活用したホテル・旅館のアピールと言い換えられます。実際に利用した方の目線で、ホテル・旅館の強みを発信できるためです。口コミに返信する形で、こだわっている点をさりげなくアピールすることもできます。

もちろん、サービスに満足できなかった方が、口コミを投稿することもあります。この場合も、至らなかった点を謝罪し、改善を約束することで、口コミを見た方に誠実さをアピールできます。Googleマップに投稿されている口コミ（ホテル・旅館の返信を含む）は、見込み客がホテル・旅館を選ぶ際に参考にする要素です。また、検索結果の順位決定にも関わっています。重要性を理解し、適切に管理することが求められます。

メリット③予約につながりやすい

予約のハードルを下げられる点も、ホテル・旅館がMEO対策を実施するメリットです。Googleビジネスプロフィールを活用すると、検索結果に表示されたホテル・旅館のプロフィールから、さまざまな操作が可能です。

たとえば、チェックイン・チェックアウトと宿泊人数を指定して、スポンサー・各予約サイトのプランを比較できます。ここから気になったサービスのWebサイトにアクセスできます。もちろん、ホテル・旅館の公式サイトやホテル・旅館の電話番号を表示することもできます。

つまり、検索結果に表示されたプロフィールから、見込み客が希望する方法で予約を行えるのです。予約を獲得しやすくなる点は、MEO対策の大きなメリットといえるでしょう。

メリット④インバウンドにも対応しやすい

Googleは、検索サービスの世界市場で圧倒的なシェアを獲得しています。2025年1月時点における端末別のシェアは以下の通りです。

端末	シェア率
デスクトップ	79.31％
タブレット	89.23％
モバイル	93.91％

出典：StatCounter「Search Engine Market Share Worldwide」

日本を訪れる外国人観光客の多くも、検索サービスとしてGoogleを利用していると考えられます。Googleマップを活用して、ホテル・旅館と駅の距離、周辺の観光スポットなどを調べている方が多いでしょう。

そのため、MEO対策を実施することで、外国人旅行客へのアプローチが容易になります。残念ながら、国内で人気のOTAに登録している方は少数派です。インバウンド需要を取り込みたい場合は必須の対策と考えられます。

メリット⑤Googleビジネスプロフィールは無料で登録できる

MEO対策の第一歩となるのが、Googleビジネスプロフィールへの登録です。Googleビジネスプロフィールは、Google検索とGoogleマップでホテル・旅館の情報を管理するツールです。具体的には、写真を投稿して魅力をアピールしたり、口コミに返信してお客様とコミュニケーションを図ったりすることができます。

Googleビジネスプロフィールの利用に費用はかかりません。有料のオプションもありますが、無料でも成果につながるMEO対策を行うことは可能です。コストを抑えつつ、さまざまな取り組みを行えるため、集客施策に予算を割けない方はMEO対策から始めるとよいかもしれません。限られた予算でも、競合ホテル・旅館との差別化や集客力の向上を図れます。

ホテル・旅館のGoogleビジネスプロフィールの特徴

ホテル・旅館のGoogleビジネスプロフィールには以下の特徴があります。

ローカルパックが4件まで表示される

ローカルパックは、Googleで「ホテル＋地名」「旅館＋地名」などで検索したときに表示される店舗情報と地図情報がセットになった検索結果です。通常の検索結果の上に表示されるため、ローカルパックにホテル・旅館が表示されると見込み客に力強くアピールできます。

ローカルパックに表示されるのは、上位3軒までです。「レストラン＋○○駅」などで検索した場合は、原則として3店舗までしか表示されません。

一方で、ホテル・旅館の場合は上位4軒まで表示されます。宿泊業界は他業種よりもローカルパックの表示枠が広いため、掲載される可能性が高まります。

具体的な競争の厳しさはエリア内にあるホテル・旅館の数、MEO対策を実施しているホテル・旅館の数などで異なりますが、ローカルパックへの表示を目指しやすいと考えられるでしょう。

アピールポイントがアイコン表示される

Googleビジネスプロフィールで、ホテル・旅館のおすすめポイントを追加すると、その内容がアイコンで表示されます。おすすめポイントの例として以下のものがあげられます。

【おすすめポイントの例】

無料駐車場
朝食無料
無料Wi-Fi
ペット同伴可
ジム/運動施設が充実

アピールポイントをアイコンで表現できるため、ホテル・旅館の特徴を見込み客に伝えやすくなります。MEO対策を実施することで、競合ホテル・旅館との比較時に選ばれる確率が高まります。

ただし、追加したおすすめポイントが、すべてのホテルで表示されるわけではありません。また、追加した内容が必ず反映される保証もありません。おすすめポイントに誤りがある場合は、Googleビジネスプロフィールのサポートチームに問い合わせて修正を依頼しましょう。

利用日や条件を指定して検索できる

検索結果に表示されたビジネスプロフィールから、チェックイン・チェックアウト、人数、部屋タイプ、食事などの条件を指定して、ホテル・旅館の宿泊料金や空き状況を検索することも可能です。この機能の特徴は、ユーザーの予約を前提としている点です。希望条件に合致した場合、外部サイトに移動して予約手続きを進められます。

すでに条件面をクリアしているため、送客されたユーザーは高い確率で予約に至ると考えられます。また、ユーザーの利便性を高められる点も魅力です。日程などで宿泊料金は変動するため、こだわるとリサーチに手間がかかります。この機能を活用すれば、最低限の労力で理想的な予約方法を見つけられます。

ホテルのランクが表示される

Googleビジネスプロフィールでは、ホテル・旅館のクラス評価（ランク）が1つ星～5つ星の5段階で表示されます。クラス評価とユーザー評価（口コミ）は異なります。クラス評価を行っているのはGoogleです。

具体的には、ホテル経営者からのフィードバック、直接の調査、価格、立地、設備などを調べて評価しています。ホテルクラスの概要は以下の通りです。

星の数	評価の概要
1つ星	記載なし
2つ星	ベーシック
3つ星	質がよく快適
4つ星	贅沢感がある
5つ星	最高級なサービス

2つ星のホテルは安価な料金でベーシックな部屋を提供している、4つ星のホテルは豪華な設備、きめ細やかなサービスを提供しているなどが考えられます。クラス評価を活用すると、ホテル・旅館の特徴を見込み客に伝えやすくなります。

ただし、すべてのホテル・旅館でクラス評価を表示しているわけではありません。表示されるのは、Googleが調査を行ったホテル・旅館のみです。表示されていない場合（表示させたい場合）は、Googleのサポートチームへ問い合わせが必要です。

ホテル・旅館がMEO対策をする際のポイント

ここからは、ホテル旅館がMEO対策を実施する際に意識したいポイントを解説します。

適切なキーワードを設定する

見込み客がホテル・旅館を検索する際に使用するキーワードを、Googleビジネスプロフィールの情報欄などに使用します。当該キーワードが検索されたときに、上位表示される可能性を高められるためです。キーワードの例として以下のものがあげられます。

【キーワードの例】

地名
駅名
温泉
ペット可
観光施設名

ポイントは、キーワードを羅列するだけでなく、関連する情報を盛り込むことです。検索ユーザーのニーズを満たせる状態を目指します。使用するキーワードを絞り込むことも大切です。上位表示だけを目的に、ホテル・旅館と関連性がないキーワードを使用すると、検索結果に悪影響を及ぼす恐れがあります。サービス内容などを踏まえて、設定することが大切です。

自社サイトを構造化マークアップする

検索エンジンがコンテンツを理解しやすくするために、特定の記述を加えることを構造化マークアップといいます。この作業を行うことで、「○○ホテル」という文字列を「ホテル名」、「○○駅」という文字列を「駅名」として、検索エンジンが認識できるようになります。

構造化マークアップ自体に、検索順位を引き上げる効果はありません。しかし、視覚的な情報が表示されやすくなるため、ユーザーに魅力的なホテル・旅館と認識されて、結果的に上位表示されやすくなることは考えられます。自社サイトを運営している場合は、構造化マークアップに取り組みましょう。

施設情報を充実させる

Googleビジネスプロフィールの施設情報を充実させることも大切です。掲載している施設情報を参考に、ホテル・旅館を選ぶ方は少なくありません。抜けや漏れがあると、選択肢から外れてしまう恐れがあります。お客様が求める施設情報を、正確に記載しましょう。掲載しておきたい主な施設情報は以下の通りです。

【施設情報の例】

最寄駅とアクセス方法
駐車場の有無（ある場合は駐車料金）
チェックイン・チェックアウト時間
客室の設備とアメニティ
朝食の有無
無料Wi-Fiの有無
大浴場、プールの有無
ペットの同伴
その他サービスの内容
対応言語

記載するべき施設情報は、ホテル・旅館により異なります。お客様が自分で疑問を解消できる状態にしておきましょう。

写真を充実させる

Googleビジネスプロフィールに写真や動画を追加して、視覚的な情報を充実させることも大切です。テキストだけだと、ホテル・旅館の状態や雰囲気などがわかりにくいため、ユーザーの離脱を招いてしまう恐れがあります。伝えたい情報の内容にあわせて、テキスト、写真、動画を使い分けることが大切です。写真、動画で伝えたい情報の例として以下のものがあげられます。

【写真・動画で伝えたい情報】

ホテル・旅館の外観
客室
食事
大浴場
ホテル・旅館のアピールポイント

写真や動画であれば、これらの情報を簡単に伝えられます。定期的な写真・動画の追加も欠かせません。更新を怠ると、お客様が抱くイメージと実際の状態にギャップが生じやすくなります。

口コミを増やす

口コミを増やすことも、重要なMEO対策です。Googleは、口コミが掲載されるメリットを以下のように説明しています。

Google に掲載されるクチコミ数が多いほど、Google でホテルを検索する旅行者に効果的にリーチできます。主なメリットの 1 つは、パソコン、タブレット、モバイルデバイスで Google マップと Google 検索のリスティングの横にクチコミが表示されることです。クチコミが多く掲載されるビジネスは Google でより目立ちます。

出典：Hotel Centerヘルプ「ホテルオーナー向けのよくある質問」

もちろん、口コミ数だけで検索順位が決まるわけではありませんが、順位決定に影響を与える要素と考えられています。ホテル・旅館の口コミは、サンキューメールで投稿を促すと増やせます。リンクを貼っておくなど、投稿しやすい環境を整えておくことがポイントです。

サイテーションを増やす

サイテーション（citation）は、自社の関連情報（ホテル・旅館の名称、住所、電話番号、サービスなど）がWeb上で言及されている状態です。MEO対策では、サイテーションを増やすことも大切と考えられています。「視認性の高さ」が、検索順位の決定に関わっているためです。ここでいう「視認性の高さ」は、ビジネスの認知度、知名度を意味します。Googleは「視認性の高さ」について以下のように説明しています。

ビジネスについてのウェブ上の情報（リンク、記事、店舗一覧など）も視認性の高さに影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。

出典：Googleビジネスプロフィールヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法」

ポータルサイト、口コミサイト、個人のブログ、SNSなどもサイテーションと考えられます。サイテーションを増やしたい場合は、ホテル・旅館について言及したくなる仕掛けを考えるとよいでしょう。

ホテル・旅館がMEO対策をする際の注意点

続いて、MEO対策に取り組むホテル・旅館が気をつけたいポイントを解説します。

NAP情報を統一する

Googleビジネスプロフィール、公式サイト、公式SNS、ポータルサイトなどに登録しているNAP情報を統一することも重要です。NAPは次の情報で構成されます。

NAP	情報
N＝Name	ホテル・旅館の名称
A＝Address	ホテル・旅館の住所
P＝Phone	ホテル・旅館の電話番号

これらを統一すると、同一の情報と認識されて、サイテーションとして評価を受けられます。参考に、NAPが統一されていない状態を紹介します。

項目	具体例
ホテル・旅館の名称	・ABC旅館・エービーシー旅館
住所	・東京都千代田区○○3-15-1　AAビル10F ・東京都千代田区○○3丁目15番1号　AAビル10階
電話番号	・03（6XXX）XXXX ・03-6XXX-XXXX

上記の例は、検索エンジンから別のホテル・旅館と認識される恐れがあります。

スムーズな予約のための導線を準備しておく

検索結果に表示される情報に、予約サイトへの導線を用意しておくことも大切です。この仕組みがないと予約に手間がかかるため、競合ホテル・旅館に見込み客を奪われてしまう恐れがあります。宿泊料金と予約リンクは、Googleホテル広告と無料の予約リンクから取得できます。また、Googleビジネスプロフィールを利用して、宿泊料金を手動で共有することもできます。

ガイドラインを遵守する

Googleビジネスプロフィールは、ガイドラインを遵守して利用しましょう。ガイドラインに違反すると、利用を停止される恐れがあります。ガイドライン違反の具体例として、禁止・制限されているコンテンツの使用があげられます。

【禁止・制限されているコンテンツ】

誤った情報（虚偽の情報、不正確な情報など）
個人情報
ハラスメント
ヘイトスピーチ
関連性のないコンテンツ

具体的な取り組みを始める前に、ガイドラインを確認しておくことが大切です。

出典：Googleビジネスプロフィールヘルプ「Googleに掲載するビジネス情報のガイドライン」

出典：マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシーヘルプ「禁止および制限されているコンテンツ」

自作自演や不正な口コミは避ける

MEO対策では、口コミが重要な役割を担います。ただし、検索順位を向上させるなどの目的で、不正な口コミを投稿したり、否定的な口コミを削除・修正したりすることはおすすめできません。禁止および制限されているコンテンツの「虚偽のエンゲージメント」に該当する恐れがあるためです。参考に、虚偽のエンゲージメントに該当するケースを紹介します。