- コラム
2025.10.29
海外OTAとは?ホテル・旅館が活用するメリットと主なサービス
近年利用者が増えているのが、OTA(Online Travel Agency)と呼ばれるオンラインの旅行代理店です。
外国人観光客を獲得したいと考えているホテル・旅館は、積極的に海外OTAを活用しましょう。
しかし、「そもそもOTAとは何か」「仕組みがわからない」という方も多いでしょう。
そこで、海外OTAに興味がある方のために、集客の幅を広げるのに役立つ海外OTAの概要や主要なサービス、導入するメリットについて詳しく解説します。
この記事を読めば、海外OTAの仕組みと活用メリットが理解できます。
目次
Toggle海外OTAとは

OTAとは、インターネット上で宿泊予約や旅行商品を販売するオンライン上の旅行代理店のことをいいます。
日本版のOTAでいうと「楽天トラベル」や「じゃらんnet」が代表的で、これらの海外版と考えればわかりやすいでしょう。
オンライン上で予約を完結でき、宿泊施設と旅行者をつなぐ役割を持つサービスです。
基本的に、実店舗はありません。
利用者はパソコンやスマホなどの端末を使用し、オンラインでOTAに掲載されている情報の中から気になる宿泊施設を探して24時間いつでも好きなタイミングで予約をする形となります。
ホテル・旅館側は自施設の空室情報をOTAに登録し、予約が入った際に手数料を支払う仕組みです。
複数のOTAに登録することもできます。
近年は訪日外国人の数が非常に増えており、国内のホテル・旅館においても外国人観光客の獲得に向けた取り組みは必須ともいえる状況です。
特に海外OTAは多言語対応や多通貨決済に優れており、自社サイトだけでは届けにくい国や地域からの集客にも効果を発揮します。
宿泊施設の販路拡大には欠かせない重要な手段といえるため、海外OTAを活用して観光客を獲得しましょう。
国内OTAとの違い
国内OTAも人気があり、多くの方がOTAを利用して宿泊予約をしています。
基本的に、日本国内の宿泊需要を対象としているのが国内OTA、訪日外国人(インバウンド)に強いのが海外OTAです。
国内OTAは日本人を対象としているため、サイト構成やサポート体制は日本語が中心です。
日本人にとってのわかりやすさ、理解のしやすさを重視したサイト設計やサービスなのが特徴です。
また、クーポンやポイント施策も多く実施されています。
観光地として有名な地域だけではなく、地方観光やビジネスホテルとの相性もよく、広く活用されています。
地域や自治体によってはその地域のみで活用できるクーポンを発行し、観光を支援するケースも増えてきました。
一方で、海外OTAは世界中の旅行者を対象としています。
英語を中心とした多言語対応や他通貨決済、国際的な口コミの掲載など、グローバルな仕様となっています。
多くの国の利用者が戸惑うことなく利用できるように自動翻訳機能が用意されているものも主流です。
また、国内OTAとは異なり、世界的な露出につなげられるのも大きな特徴といえます。
掲載地域が広く、高い露出効果が期待できます。
海外からの新規顧客の開拓や海外での露出強化に取り組みたいと考えているホテル・旅館は、国内OTAに加えて海外OTAも活用してみてはいかがでしょうか。
訪日外国人観光客のOTA利用率

一般社団法人日本旅館協会が行った令和6年度の営業状況等統計調査によると、令和6年度における訪日外国人観光客のうち、OTA経由で宿泊施設の予約を行った方は、全体の44.9%でした。
前年度と比較すると1.6ポイント増加、令和元年からみると14.0ポイントの増加です。
旅行会社経由が平均27.7%、自社ホームページ経由が12.6%、自社ホームページを除く直予約が14.8%です。
OTAはその他の方法と比較して多くの方が利用していることがわかります(※1)。
さらに、日本政府観光局(JNTO)の「2024年 予約方法別の内訳(全体)」をみてみると、インバウンドの82.9%がWebサイトから申し込みをしていることがわかります。
2023年は全体の78%、2019年は70.2%がWebサイト経由で申し込みをしており、年々利用者が増えている状況です(※2)。
ホテル・旅館側はOTAをうまく活用し、新たな旅行者層を獲得するための取り組みが必要となっています。
(※1)
参考:日本旅館協会:【結果公表!】令和6年度 営業状況等統計調査(令和5年度財務諸表より)
(※2)
参考:日本政府観光局(JNTO):訪日旅行について調べる(予約方法別の内訳)
海外OTAの代表例

海外OTAにはさまざまな種類があります。
ここでは、その中でも特に代表例をピックアップしました。
Booking.com(ブッキングドットコム)
Booking.comは、約70か国で予約サイトを運営する、世界最大級の宿泊予約サービスです。
43言語に対応しており、世界各地の200万件以上の宿泊施設の情報が掲載されています。
非常に露出度が高いこともあり、海外OTAの利用を検討した際に積極的に登録したいサービスです。
特に利用者が多いのが、ヨーロッパ地域です。
予約時に即時で確定される仕組みを取り入れていることから、正確に空室情報を管理する必要があります。
agoda(アゴダ)
agodaは、シンガポールに本社をおく会社で、アジアを中心に展開しています。
39言語に対応しており、日本の宿泊施設も多数登録されています。
レビューの数が豊富であり、他の利用者からの評価がわかりやすいのも大きな特徴といえるでしょう。
キャンペーンやプロモーション機能が充実しているサービスでもあります。
アジア圏のインバウンド需要を狙っている方にとって、有用なサービスです。
Viator(バイアター)
Viatorは、宿泊予約というよりも、アクティビティの予約に特化したOTAです。
世界中の観光ツアーや体験型のコンテンツの情報を広く掲載しています。
海外を旅行する際、現地ツアーを事前にオンラインで予約可能です。
自社主催のアクティビティと宿泊をセットにして予約を促すこともできます。
Viatorを活用する場合は、海外旅行客から高く評価される魅力的なアクティビティを企画・提供することが重要です。
Klook(クルック)
Klookは、香港発のサービスで、宿泊施設のほか、体験・アクティビティの予約にも幅広く対応しているサービスです。
口コミを投稿するとポイントがもらえることから、多くの口コミ情報が寄せられています。
特にアジア諸国からの訪日外国人観光客の集客に強いサービスです。
さまざまな割引やキャンペーンも用意されており、利用者の興味を引くように工夫されています。
Expedia(エクスペディア)
Expediaは、アメリカで設立されたサービスであり、航空券・宿泊・レンタカーなどを一括で予約可能な総合型のOTAです。
グループの傘下にはHotels.comをはじめとした複数のサービスがあり、これらと連携していることから高い露出効果が期待できます。
幅広いプロモーション設定ができるのも特徴です。
特に北米市場での集客実績があるサービスであり、同地域の旅行者をターゲットにしたい場合に適しています。
Trip.com(トリップドットコム)
Trip.comは、中国大手のOTAであり、多くの訪日中国人観光客が利用しています。
他通貨・多言語対応に優れている他、アジア圏での利用率が高いのが特徴です。
宿泊施設の他にも航空券、ツアー、レンタカーなどさまざまな旅行サービスを提供しており、旅行者にとってもワンストップで手配が可能で便利なサービスです。
Hotels.com(ホテルズドットコム)
Hotels.comは、宿泊特化型サイトで、Expediaグループに属します。
Expediaと同様の仕入れの仕組みを共有しており、ツアーの予約にも対応しているサービスです。
特に英語圏を中心に利用者が多い特徴があります。
HOSTELWORLD(ホステルワールド)
HOSTELWORLDは、ホステルを中心として世界各国の宿泊施設を取り扱っています。
バックパッカーの利用が多く、特にコストを重視する旅行者から人気です。
日本語版もリリースされており、特に若い世代の利用者が多い傾向があります。
同じホステル・都市に滞在している他の旅行者とつながれるサービスが提供されているのも特徴です。
ホテル・旅館が海外OTAを活用するメリット
海外OTAを活用することにより、集客経路拡大が期待できます。
さらに、多言語対応や収益増加にもつながる点も大きなメリットです。
ここでは、ホテル・旅館が海外OTAを利用することによってどのようなメリットを得られるのかについて解説します。
メリット①認知度の拡大につながる
海外OTAを利用することで、認知度の拡大が期待できます。
OTAに掲載することで、世界中の旅行者に施設情報を届けられるのが大きな利点です。
自社ホームページを活用した方法も効果的ではありますが、SEO対策を行ったとしても、結果が出るまでにはどうしても時間がかかってしまいます。
一方、OTAサイトはすでにSEO対策が施されていることも多く、登録することにより短期間で認知度アップにつながります。
日本人観光客を集客する場合は日本人に馴染みのあるサービスを利用するのが効果的ですが、外国人旅行客にとって主流なのはOTAです。
国内外で利用者の多いOTAを活用することで、幅広い層にホテルや旅館の存在を知ってもらう機会につながります。
メリット②幅広い層にアプローチできる
海外OTAは観光客だけではなく、ビジネス客、長期滞在者など、さまざまな層に利用されていることから、幅広いアプローチが可能です。
各OTAサイトには、宿泊条件などを指定して検索できる機能が備わっています。
そのため、自社が狙うターゲットに合わせた訴求ができるのは大きなメリットといえるでしょう。
海外OTAは実際にその宿泊先を利用した方のレビューが重視される傾向があり、よい口コミを獲得できれば知名度の低い宿でも集客につながります。
メリット③多言語対応ができる
人材不足などの影響により、自社で多言語対応が難しいホテル・旅館も少なくありません。
海外OTAには、日本語で宿泊施設の紹介文やプラン説明を入力すると、自動翻訳機能により複数言語に対応できるため、幅広い国・地域の旅行者に情報を届けられる点が魅力です。
自社サイトを多言語対応にする場合と比べ、負担を大幅に軽減できます。
多言語に対応できていなかったためにアプローチできなかったユーザーにも幅広く情報を届けられるようになります。
メリット④収益の増加につながる
海外OTAを活用する根本的な目標は、収益の増加です。
海外OTAの活用により、空室を減らして稼働率を高められる可能性があります。
日本国内に住んでいる方だけではなく、さまざまの国・地域の旅行者にアプローチができるようになるので、大幅な収益機会の増加を目指すことも可能です。
OTAに加えて自社予約サイトや国内OTAを併用することで、より安定した集客が可能になります。
海外OTAを活用して市場を開拓につなげよう
今回は、ホテル・旅館が知っておきたい海外OTAの特徴や主なサービス、活用のメリットを解説しました。
自社の目的に合ったOTAを選定することで、認知拡大と収益向上の両立が期待できます。
インバウンド需要が拡大している今こそ、積極的に活用することが大切です。
海外OTAの利用も含め、収益改善やホテル経営に関してお悩みを抱えている方は、ぜひ宿夢までご相談ください。
宿泊施設のコンサルティング・デジタルマーケティングに強みがあり、各ホテルの課題解決をともにサポートします。
コラム監修者
<略歴>
- 上智大学を卒業
- 大手企業向けERPシステムの開発・販売・サポートを行う企業に就職
- 経営資源に関するノウハウを培った後に、高級宿泊施設の予約サイトを運営する「株式会社一休」に転職。高級旅館・ホテルを累計300施設以上担当。
- 同時に、新サービス「一休.comふるさと納税」を2名で立ち上げ、初年度から事業の黒字化に成功。事業部長に就任し、事業をさらに急成長させた。
株式会社宿夢に参画してからは、1年で企業規模を倍にさせることに成功し、COOに就任。
<メディア掲載>
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