- コラム
2025.12.26
OTA依存から脱却!ホテル直予約で利益とファンを取り戻す方法
ホテル経営において、OTAに頼った集客だけでは利益が伸びにくい状況に陥ることもあります。
直予約を増やすことで手数料負担を抑えられるだけでなく、顧客との関係性を深め、リピーター作りにもつなげられるでしょう。
本記事では、ホテルが直予約を強化するための具体施策や、OTAとのバランスの取り方を分かりやすく解説します。
ぜひ参考にしてください。
目次
Toggleホテルを直予約へ切り替える理由
利益率とブランド価値を守るために、直予約の比率を高める発想が欠かせません。 OTAは集客面で有効ですが、手数料と価格競争の負担が大きい側面もあります。- OTAの手数料が高い
- 価格競争で客室価値が下がっている
OTAの手数料が高い
OTA経由の予約では、宿泊料金の8〜15%程度を送客手数料として支払うことが一般的です。 決済手数料やポイント原資、キャンペーン費用を含めると、負担割合が15〜20%台に達することも。 たとえば、1泊50,000円の客室をOTA経由で販売する場合、4,000〜7,500円前後が手数料として差し引かれます。 直予約であれば、その金額を丸ごと利益や再投資原資に変えられます。 直予約の場合も決済手数料はかかりますが、OTA成約手数料と比べると負担を抑えやすいのが一般的です。価格競争で客室価値が下がっている
OTAでは、同じエリアの宿泊施設が一覧で表示され、写真と料金が横並びで比較されます。 競合が値下げを行うと、掲載順位や販売機会を維持するために追随せざるを得ない状況が生まれます。 短期的な稼働率は上がっても、平均単価と利益率が下がり、スタッフ負荷だけが高まる悪循環につながりやすいのが特徴です。 値下げを繰り返すと、宿泊者の頭の中で「基準価格」が低く固定されます。 あとから適正価格へ戻そうとしても「高くなった宿」という印象を持たれやすく、ブランド価値の回復には時間がかかるでしょう。 直予約を強化し、価格以外の価値で選んでもらう販売設計が重要になります。ホテルを直予約に変更するメリット
直予約比率を高めるメリットは、以下のとおりです。- 手数料負担が減って利益率が改善する
- 宿泊者のデータを残せてリピーターにつながる
- 自社運用でできる改善だからコストが小さい
手数料負担が減って利益率が改善する
直予約の大きな利点の1つは、OTAに支払う送客手数料がかからない分、1件あたりの粗利を確保しやすい点です。 もちろん、直予約でも決済手数料や予約システムの利用料などは発生しますが、OTA成約手数料と比べると負担を抑えやすいケースが一般的です。 宿泊単価や手数料率にもよりますが、1件あたり数千円規模のコストが削減されるため、客室数が多い施設ほど年間インパクトが大きくなります。 削減できたコストは客室リニューアルやアメニティ改善など、将来の収益を高める投資へ振り向けられます。 単に経費を削るだけでなく、「質を高めるための原資」を確保できるでしょう。宿泊者のデータを残せてリピーターにつながる
OTA経由では、宿泊に必要な氏名や連絡先など基本情報は取得が可能です。 ただし、会員属性やWeb上の行動履歴などマーケティングに活用しやすいデータは、OTA側に留まりやすいという制約があります。 一方、直予約では予約システムを通じて、詳細な顧客データを蓄積できます。 データに基づいて「記念日利用が多い顧客にはアニバーサリープラン」「家族利用が多い層には休暇シーズン前に早期割引プラン」といったパーソナライズ提案を行うのも有効な戦術です。 ファン化と単価アップの両方を狙えます。自社運用でできる改善だからコストが小さい
直予約を増やす施策の多くは、既存の公式サイトや予約エンジン、SNS運用の見直しで実行できるケースが多い傾向です。 多くのクラウド型予約システムでは、大規模なシステム開発を伴わずに設定変更が可能なため、初期投資を抑えて始めやすい点が特徴です。 まずは、既存環境で着手できる改善を積み重ね、成果が出たタイミングで予約エンジンやCMSの刷新を検討すると、投資判断もしやすくなります。 段階的に改善を進められる点が、直予約強化の取り組みやすさといえます。ホテルの直予約を促すための施策・方法
直予約を増やす鍵は、「見やすさ」「使いやすさ」「予約する理由」の3点を公式サイトで明確にすることです。 料金表示や導線、特典設計を一体として見直すと効果が高まります。- 見やすい料金表示にする
- スマホ対応で予約の途中離脱を減らす
- SNSリンクを公式サイトに誘導する
- 直予約限定の特典を設計する
見やすい料金表示にする
サイトの料金表示が分かりにくいと、途中離脱や他サイトでの再検索につながります。 「最終支払い金額がいくらか」「キャンセルポリシーや含まれるサービス内容は何か」を宿泊者が直感的に理解できる形で示すことが重要です。 具体的には、「1泊あたりの料金」と「合計料金」を同じ画面で確認できるレイアウトにし、サービス料・消費税・宿泊税の扱いを明記します。 途中で金額が変わる印象を与えないことが重要です。スマホ対応で予約の途中離脱を減らす
宿泊予約の検索から申し込みまでをスマホで完結させる利用者が増えています。 スマホ画面に最適化されていないサイトは、入力の手間や表示速度の遅さが原因で離脱を招きやすくなります。 入力フォームは、必須項目を絞り込みましょう。 EFO(入力フォーム最適化)の考え方を取り入れ、ユーザーが入力する際のストレスを軽減させることがポイントです。SNSリンクを公式サイトに誘導する
InstagramやX、FacebookなどのSNSは、写真や短いテキストで宿の魅力を伝えやすいチャネルです。 しかし、プロフィールや投稿から公式サイトへ適切に誘導できなければ、直予約にはつながりません。 運用のポイントは、プロフィール欄に公式サイトの予約ページURLを分かりやすく掲載し、「公式サイト限定プラン」「公式サイト限定クーポン」などのリンクを定期的に案内することです。 また、SNS投稿で紹介した宿泊プランやイベント情報と、公式サイト上の情報内容・写真を揃えておくと、リンク先での安心感が高まります。直予約限定の特典を設計する
直予約を増やすには「公式サイトから予約する理由」を明確に提示することが重要です。 OTAより安くすることが難しい場合でも、「価格以外の付加価値」で差をつける考え方があります。 中でも、早期予約割引や宿泊後特典は、稼働率の平準化とリピーター育成の両方に役立つ仕組みです。 ここからは、具体的な設計ポイントを解説します。早期予約割引
早期予約割引は、一定期間前までに予約した宿泊者へ割引や特典をつける仕組みです。 ホテル側は早い段階で稼働を確保できるため、需要予測の精度が高まり、仕入や人員配置の計画を立てやすくなります。 設計の際は「何日前までに予約した場合に、どの程度の割引率にするか」「繁忙期と閑散期で条件を変えるか」を整理しましょう。 人気シーズンは割引率を控えめにしつつ、予約タイミングを前倒しする目的で設定すると、利益を守りながら空室リスクを抑えられます。宿泊後特典
宿泊後特典は、一度利用した宿泊者へ次回予約で利用できる特典を案内し、リピーター化を促す仕組みです。 具体例として、以下があげられます。- 次回10%割引クーポン
- 平日限定アップグレード優待
- 誕生月の特別プラン優先案内
- 会員ステータスアップ
ホテルの直接予約でよくある質問
直予約比率を高める取り組みでは、「実際に直予約が増えなかった場合の対処」「OTAとの関係性をどう保つか」といった課題点が浮上します。 どちらも、チャネルごとの役割整理と検証の仕組みが大切です。- ホテルの直予約が増えなければどうする?
- OTAとのバランスはどう取る?
ホテルの直予約が増えなければどうする?
直予約施策を始めても、短期間で目に見える成果が出ない場合もあります。 施策の内容にもよりますが、数週間〜数ヶ月単位で指標を追う前提で取り組みましょう。 その際は、「アクセス数」「予約エンジンへの遷移率」「予約完了率」の3段階に分けてボトルネックを特定します。 たとえば、予約完了率が低い場合は入力項目の多さ、読み込み速度などといった要因を分析しましょう。 改善内容ごとに目標指標を定め、一定期間ごとに効果検証を繰り返す姿勢が重要です。OTAとのバランスはどう取る?
OTAは認知拡大と新規顧客獲得という観点で、今後も重要なチャネルです。 完全に掲載をやめるのではなく、「新規獲得はOTA」「リピーター化と利益確保は直予約」といった役割分担で考えるとバランスを取りやすくなります。 具体的には、閑散期や新規マーケット開拓にはOTAプロモーションを活用しつつ、繁忙期やイベント期間は直販枠の在庫比率を高める運用があげられます。 OTA上の情報をきっかけに施設名検索が行われるケースも想定されるため、指名検索時に公式サイトが分かりやすく表示される状態を整えておくことも重要です。まとめ|導線の見直しから始めよう
直予約比率を高める目的は、単にOTAコストを削減することではありません。 利益率を改善しつつ、宿泊者との直接的な関係性を深め、長期的なファンを増やすことがゴールになります。 ホテルの収益改善や直予約比率の向上を本格的に進めたい場合は、宿泊業特化のコンサルティングサービス「宿夢」を活用してみませんか。 需要予測・価格戦略・公式サイト改善まで一体で支援します。 OTA依存からの脱却と継続的な収益向上を目指しましょう。コラム監修者
<略歴>
- 上智大学を卒業
- 大手企業向けERPシステムの開発・販売・サポートを行う企業に就職
- 経営資源に関するノウハウを培った後に、高級宿泊施設の予約サイトを運営する「株式会社一休」に転職。高級旅館・ホテルを累計300施設以上担当。
- 同時に、新サービス「一休.comふるさと納税」を2名で立ち上げ、初年度から事業の黒字化に成功。事業部長に就任し、事業をさらに急成長させた。
株式会社宿夢に参画してからは、1年で企業規模を倍にさせることに成功し、COOに就任。
<メディア掲載>
Useful knowledge
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SNSの運用に人員と時間を割けない
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